違う、俺はお前の兄だからだ。コードギアス反逆のルルーシュR2第4話感想&備忘録「TURN04 逆襲の処刑台」

 先回提示されたロロが喪失していた「アイデンティティ」が、ルルーシュによって「弟」という居場所と、「例え偽りであっても、重ねられた時間と気持ちは偽者ではない!」と、最強の作中善要素「自由意志」で肯定され、「偽者」だった筈の「アイデンティティ」が「本物」として、改めて与えられて、ロロに心の平安が与えられたけど、当のルルーシュ自身は、ロロを利用しようとしか考えていなくて、それは結局仮初めの平安でしかなかったという、「偽り」を強制する最悪の作中悪「強制(ギアス)」を地で行く、つまりは「強制(ギアス)」によって記憶を書き換えて気持ちまで「偽り」で塗り固めるブリタニア皇帝と同じ手段を取っているルルーシュ

「お前が、弟だから。
植え付けられた記憶だったとしても、お前と過ごしたあの時間に嘘は無かった。」(ルルーシュランペルージ)

「ナナリーがいるべき所を奪い取った偽者め、散々使い倒して、襤褸雑巾のように捨ててやる!」(ルルーシュランペルージ)

 ただし、ロロが今抱いている「気持ち」は最強の作中善「自由意志」に他なりません。
 これは、前シリーズ第20話でスザクと分かり合い、第22話でユーフェミアとも分かり合えたのに、、「自由意志」の敵、「強制(ギアス)」によって全てが破壊されたのと同じように、ロロとの関係が最初は「ナナリーを助ける為の手段」と思っていたのに、徐々にそれが変わっていって、ルルーシュとロロが分かり合えた、その瞬間に――――と、ルルーシュが前シリーズと同じ過ちを繰り返す限りは、やはり繰り返されるでしょうから、その気持ちの準備だけはしておこうと思います。

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本編感想

 ルルーシュが身内以外に冷酷なのは分かり切っている事ですが、今回もかなりえぐいです。

 まず、ロロは「任務」の先に「未来」と「アイデンティティ」があると無理矢理信じようとしています。

「僕に未来をくれると言ったくせに。」(ロロ・ランペルージ)
 
「任務さえこなせば、未来は繋がるんだ!」(ロロ・ランペルージ)

 その「任務の達成」と「アイデンティティ喪失&未来喪失」の間で葛藤する心の隙間に入り込んで、「C.C.を捕まえても何も変わらない」と言ってるのに、「C.C.を捕まえる事で未来が開ける」と、「任務」を否定して「アイデンティティ」と「未来」をちらつかせておいて、最後にまた「任務」を肯定して、恰も、「任務の達成」と「アイデンティティ」と「未来」が全て手にはいるように見せている所ですね。更に前シリーズでナナリーにだけ口にしていた「嘘は付かないよ、お前にだけは。」をロロに口にしているのが極め付きです。嘘ばっかり。

「ロロ、未来とは何だ。、未来とは『希望』だ、お前の任務の先に未来はあるのか?
C.C.を捕まえることでお前にはどんな未来が開ける?
今のままだ。何も変わらない。」(ルルーシュランペルージ)
 
「これは任務だ。」(ロロ・ランペルージ)
 
「俺を殺したら任務は果たせない、C.C.を捕まえたいんだろ?」
明日、俺がC.C.を引きずり出してやろう、それでお前は新しい未来を掴める。
大丈夫、嘘は付かないよ、お前にだけは。」(ルルーシュランペルージ)

 更に、ロロの退路を断って、ルルーシュを裏切れないような状況に引きずり込んだ上で、本当は「人殺し」なんかしたくないロロに「人殺しがある世界なんて似合わない。」と、ここにいれば人殺しなんてしなくていいと説得します。勿論そんな事はなくて、嘗ての仲間を殺させるだけでなく、より多くの人間を殺させる事になるわけです。それを知悉した上で、「お前の居場所は、ここにある」と言われたら、裏切りだと知りつつも裏切らざるを得ませんよ。

「最初から、ブリタニアには安らぎは無かったんだ、お前の居場所は、ここにある。」(ルルーシュランペルージ)

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次回予告

 コードギアス反逆のルルーシュR2第5話「TURN05 ナイトオブラウンズ」

 第五話でスザク君転入。すごい、またセルフパロディですか。一体いつまで続くのか楽しみ。

おまけ

「扇要、これで、終わりになる。」(ヴィレッタ・ヌゥ)

 そんなツン的発言しているのに、扇さんが助かって安堵しているヴィレッタさん可愛い過ぎる。