こんなことをいうのもなんだが恋をするとしたらあんな気持ちの女性がいいと思います。守ってあげたいと思う……元気な暖かな笑顔が見たいと思う。 コードギアス反逆のルルーシュR2第12話感想&備忘録「TURN12 ラブアタック」

 今回は「モラトリアムの終わり」がテーマ。
 元々、ルルーシュは「(何もしない)モラトリアム」を「死んでいる」として、ナナリーの為に「世界」を変えようとしていたワケなんですが、ナナリーが自ら「モラトリアム」を出た事を知った事で、ルルーシュは自分を見失い、そして再び「(理想の世界としての)モラトリアム」をもう一度現出させようと再び立ち上がったワケです。

 でも、ニーナの独立、ナナリーの総督就任、ミレイさんの卒業により、確実に「モラトリアム」というのは、「永久にいる場所」ではなく、「心が帰る場所」としての役割を担っているというのがじわじわと描写され始めてきた感じです。

 だから、ルルーシュが最初に目指したのも無為な時間を打破するという意味での「脱モラトリアム」なら、次に目指したのも、みんなが「世界」を変える為にそれぞれの道を進みながら、みんな心が帰る場所としての同窓会的な意味合いとして留めるというニュアンスでの「脱モラトリアム」で、視聴の主な対象となる10代の少年少女や、鬱屈した毎日に潰されそう20代のお兄さんお姉さんに対して、コードギアスは「モラトリアム」を抜け出せという、一貫したメッセージを送っているという事ですね。

コードギアス 反逆のルルーシュ R2 volume01 [DVD]

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本編感想

「生徒会」という「モラトリアム」の象徴の変化・転機

 前回の「シャーリーとのキス」、今回の待ち合わせが第一期と同じ「ライブハウスの前」、そしてラストの「雨の中」と、舞台は揃いすぎていたし、更に言えば科学部部長がマオに似ていたのもきっとその一環だったんでしょうね。

「バカな!ルルーシュのクセに〜!」(科学部部長)

 シャーリーは前シリーズでユーフェミア様がやってのけたギアスに打ち克つというイベントは無くなり、ルルーシュがギアスで築き上げてきた「城」が壊されていく事に。
 逆に、シャーリーが記憶を取り戻した事で、同じような境遇にあるニーナとルルーシュの関係を取り持つ役割をミレイさんと一緒に果たすということかな。
 それにしても、シャーリーは自分の意志でギアスに打ち克つと思っていたのに、ジェレミアさんのギアスキャンセラーで「強制」されるとは思わなかった。二度「強制」されたことでシャーリーがどう出るのか楽しみです。

 同時に、ミレイさんが「モラトリアム」から出ていって、「前と全く同じ」という意味での「生徒会」は実現困難になり、ルルーシュが目指す「生徒会」というのは、同窓会的な、「みんな色々あったけど、モラトリアムは楽しかったよね」と語り合って、「それじゃ、また」と、それぞれの『世界』に帰っていく――――というような形で、ルルーシュルルーシュに大事な人を殺されたシャーリー、ニーナ、スザクや、敵だったカレンお嬢さん、総督となったナナリーが集うという所なのでしょうね。

 で、その時「ルーフトップガーデン」が、皇帝やV.V.がよく行く空中庭園みたいな場所に対するカウンターになるんでしょうね。アッシュフォード学園とブリタニアの王宮は建築様式が酷似していますし。

ギルフォードからの「モラトリアム」を大事にしろというメッセージ

「あとで電話ぐらいしてあげてもいいだろう。」(ギルフォード)
 
「え?」(枢木スザク)
 
「今という時間がいつまでも続くとは限らない。」(ギルフォード)
 
「意外ですね。
そういう事を言われるとは思いませんでした。」(枢木スザク)
 
「社会的立場は変わったが君は元々ユーフェミア様の騎士だ。
コーネリア様の騎士である私の、先輩としての助言のつもりだったんだが。」(ギルフォード)

 その前にコーネリア様、ダールトンとの、「嘗てあった時間(=モラトリアム)」を思い出している描写があるのが効いています。

ミレイさんからの「モラトリアム」を大事にしろというメッセージ

「あんた達もどかしいんだもの。
ぼやぼやしてると学生終わっちゃうよ。」(ミレイ・アッシュフォード)

 ミレイさんの恋心が切ない。

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次回予告

 コードギアス反逆のルルーシュR2第13話「TURN13 過去からの刺客」
 誰もが自分の過去からは逃げられない。ヤツらは体から伸びた影のように、まばゆい光から照らされた途端に自らの後ろ暗さを如実に我々に見せつけるのだ。