マクロスF(フロンティア)第14話感想&備忘録「マザーズ・ララバイ」

 マクロスFも折り返し地点、第1クールでのアルトの成長の結実が形となり、「ここ」にいたくなかったアルトが「ここ」を守る為に戦場へ赴きます。
 「力」が無くて助けられなかった人達を目の当たりにし、悔しさに歯噛みながらアルトは成長し、「力」を手に入れた。しかしその「力」は「バジュラへの憎悪」と「ランカへの思い(恋未満か?)」からなっており、そこにはマクロスのテーマの一つを担う「歌による相互理解」が抜けており、「マクロスがかくあるべき戦い」にはまだもう一つ、「歌(=心)」が足りない事を提示し、第2クールに向けての問題点の提示にもなっていました。

「覚えておけ、宇宙は、二種類の生物が生きられるほど、広くは―――」(テムジン)
 
「そうだな、ああ、そうだとも。」(早乙女アルト

 勿論、「歌」で分かり合って「共存」するのがマクロスであり、「血」を克服するのがマクロスFなので、今のアルト君は「歌」のパラメーターが有るとすれば、マイナスに振り切れていると思います。アルト君は今までのマクロスシリーズ、特にマクロス7を見て勉強した方がいいと思いました。

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本編感想

 フロンティアの誰もが「ここ(大切な人・場所)」を守る為に戦おうとする、それは確かに純粋な思いですが、「ここ」を危険に曝して他人を犠牲にして(=つまり「ここ」という存在に対する軽視・侮辱)、自らの目的の達成に邁進するレオン・三島とグレイス・オコナーにその思いを利用されて、誰もが「バジュラ」を理解せずに憎む事しか出来ない中で、ランカだけは「バジュラを憎む事」を「悲しい事」なのだと気付く事になります。まずはランカが「戦場で歌う理由」が積み上がりました。そう考えると、ガリア4でランカがコンサートを開いたのも、「戦場で歌う」という行動のリハーサルとして位置づけられるのだと思います。

「何故泣く。」(ブレラ・スターン)
 
「分からない。分からないよ。
どうして…」(ランカ・リー

 また、シェリルは今回「意志」の力は見せたものの、戦闘には役に立てず、歌も披露できなかった上、アルトの傍という「ここ」を現時点でランカに占有されており、踏んだり蹴ったりですが、ランカと同様に、シェリルも今回の経験が「戦場で歌う理由」を形作っていく事になるのだと思います。

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次回予告

 マクロスF(フロンティア)第15話「ロスト・ピース」

事務連絡

 来週また家を空けるので、マクロスFの感想をいつも通り挙げられるかは微妙です。