マクロスF(フロンティア)第15話感想&備忘録「ロスト・ピース」
今回は敵サイドに「正しい方向性」が捻じ曲げられながらも、アルトが「脚本を打破して『ここ』を再定義する存在」として、ランカ・シェリルが共演を見せて「アルトを含めた3人で『飛ぶ事』と『歌』の力を合わせて『ここ』を守る存在」である事を示していました。
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本編感想
主人公サイドでは、アルト・ランカ・シェリルの三人が久しぶりに一堂に会し、ランカがシェリルと、「ステージ」という「ここ」、「アルトの傍」という「ここ」の二つの場所でシェリルに並んでランカとシェリルが遂に「歌」と「恋」のライバルとして描写され、敵サイドのレオン・三島(「ここ」から排除する存在)とグレイス・オコナー(「ここ」を破壊する存在)はシェリルの体調を隠蔽した上に「廃棄」とモノ扱いし、ランカを「兵器」として利用し(マクロスの作中善「歌で分かり合う」と反対の思想)、いよいよ敵の悪意・標的がフロンティア船団レベルの漠然とした「ここ」だけでなく、ヒロイン二人に向く事になるなど、「アルト・ランカ・シェリル」と「レオン・グレイス」の利害関係が鮮明にされていました。
今まではランカが上にいるシェリルの「ここ」へと昇ってきましたが、シェリルは色々なモノを失ってしまっているので、その構図が逆になりつつあります。
今回、「ランカがシェリルの歌をカバーする描写」が街中と、ラスト近く(第一期のED)の挿入歌で2度も用いられているのは、「ランカがシェリルの『ここ』を奪う象徴」となっています。
ランカも一躍スターダムに昇りますが、本来意に染まぬ「兵器としてバジュラを倒す」事に形式的に(勿論裏があるワケですが)就く事になり、アルトを想ったシェリル&ランカの歌で見せた、マクロスに於ける「歌」が本来あるべき姿が敵サイドによってねじ曲げられつつあります。
しかし、ランカとシェリルは二人で一つの役割を果たす事が、OPや、さよならライブの時の力、今回のデュエットでも象徴されていますから、そこにアルトが加わる事で「歌」が本来あるべき形に修正され、その時始めて「歌」と「飛ぶこと」が一体となるのだと思ってます。
アルトについては、敵サイドが「舞台と役者」と表現していましたが、アルトは「フロンティアの嘘の空」を嫌い、「歌舞伎の舞台という嘘の大地」を嫌っていますが、アルトはいずれ「嘘の空・大地」を否定せず、そこを「ここ」だとして、「俺はここにいたいんだ」と新しい価値を見出す存在なので、グレイス達が敷いた「嘘の脚本」の中で、グレイス達の予想を超えて「新しい脚本」へと変えていく存在なのだと思います。
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次回予告
マクロスF(フロンティア)第16話「ランカ・アタック」
おまけ
頑張って感想は書いてみましたが、追記するかは微妙です。