俺は貴様らの神を倒してこの世界を乗っとるつもりでいる。世界に嘘を満たすような神を消し去るには自ら神にならなくっちゃあいけないって事さ。コードギアス反逆のルルーシュＲ２第14話感想＆備忘録「TURN14 ギアス狩り」

　今話でコードギアスの登場人物が大体４フェーズに分かれる事が分かってきました。
　「嘘」を「罪」とした時、「嘘を付いた人（罪人）」と、「嘘を付かれた人」が人が生まれる。
　更に、「嘘を付いた人（罪人）」は、自分の自由意志で暴露する「贖罪者」、他人によって暴露される「受罪者」、他人の罪を赦す「免罪者」、他人の罪を赦さない「断罪者」の４フェーズ。

贖罪者	リヴァル、ナナリー、シャーリー
受罪者	ルルーシュ、スザク、その他大勢
免罪者	ナナリー、ユーフェミア、シャーリー、ジェレミア、（Ｃ．Ｃ．？）
断罪者	ルルーシュ、Ｖ．Ｖ．、スザク、コーネリア、その他大勢

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本編感想

　今回の話をその観点で纏めれば、「断罪者」達の話という事になるのでしょう。
　ルルーシュはシャーリーの為に嚮団を壊滅させてＶ．Ｖ．を、ロロを断罪しようとし、そして最後は父親であるブリタニア皇帝を断罪しようとしています。
　Ｖ．Ｖ．とブリタニア皇帝は、「嘘」を付いている世界、そして「神」を断罪する為に（その実、単に「人」との接触が苦手なだけな気もしますが）、動いています。
　スザクはユーフェミアを殺したルルーシュを断罪する為に、友人であったカレンお嬢さんに薬物投与という最悪の手段を用いて言質を得ようとしています。
　コーネリアもユーフェミア様を殺した原因である嚮団を断罪してユーフェミア様の罪を雪ぐ為に行動しています。

　今話でも、ルルーシュとコーネリアがＶ．Ｖ．を断罪する為にシンクロした描写や、ルルーシュとブリタニア皇帝が似ている（前から指摘されていましたが）という発言など、「断罪者」達の共通性を括る描写が多かったのはその現れでしょう。

　しかし、同時に「断罪」する為に動く事自体が罪なのだという事も描写されています。
　例えばルルーシュがシャーリーの為に嚮団やＶ．Ｖ．を断罪しようとした結果、黒の騎士団内部に歪みが生じました。スザクがルルーシュを断罪しようとした結果、友達に最悪の仕打ちをしようとします。この流れを断ち切るのは、先回でシャーリーが、今話ではナナリーが「嘘」を自ら暴露していましたが、これが作中善だと思われるので、物語の着地点と救済はそこにある筈です。

「嘘を付いていてごめんなさい。」（ナナリー・ヴィ・ブリタニア）
　
「お互い様よ。」（紅月カレン）

　しかしながら今話では、ナナリーがスザクに言って、シャーリーがルルーシュに言った「赦す」という言葉が、「断罪者」であるルルーシュやスザクに全く届いていないという事です。いずれ作中善は「赦す」方向に流れる筈なので、現時点で「断罪者」であるルルーシュやスザクも「赦す」方向に流れるでしょうし、カレンお嬢さんも薬物を投与されてもスザクを「赦す」方向に進むでしょうが、まだ第二クールは始まったばかりなので、もう暫くは「断罪者」達の宴が繰り広げられると思います。

　それと、余談ですがＶ．Ｖ．が言う「神を殺す」というのは、結局、「嘘にまみれた世界」に耐えきれないから、自分好みの世界に変えようという、結構痛い主張なんだと思います。
　でも、ルルーシュが言う「世界を壊す」というのも、結局、「嘘にまみれた世界」に耐えきれないから、自分好みの世界に変えようという、やはり痛い主張を前シリーズから続けているという事になりますから、その意味でも今のルルーシュの主張はどこかでＶ．Ｖ．達と差別化する為にもどこかで「赦す」という概念を採り入れて方向転換をしなくてはならないのだと思います。

　また、今話では「断罪者」達が憎悪を燃やす程に悲劇が繰り返されていきましたが、最初に挙げた表のように、「断罪者」は「受罪者」と重複し、「免罪者」は「受罪者」と重複するように、「嘘（＝罪）」に対して、それが自分の「罪」を受け入れ、また相手の「罪」に対して赦す事の出来る強さを持つことが、コードギアスのメッセージの一つなんじゃないかなと思いました。

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