マクロスF(フロンティア)第16話感想&備忘録「ランカ・アタック」

 今話では今まで「飛翔」属性を持つアルトのステージだった「戦場(=ここ)」に、「歌」属性を持つランカ、シェリルが足を踏み入れ、本来あるべき「平和・共存」とは全くの正反対の形としてですが「戦場(=ここ)」に「飛翔」と「歌」が揃いました。
 また、ブレラがランカの傍を「ここ」だと明確に認識し、アルトとの対決路線をひた走ります。

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本編感想

 本来作中善である筈の「歌」は、バジュラ殲滅の道具として使われており、同様に作中善である筈の「共存」がアルトの中には現在見出せず、「どちらかがどちらかを滅ぼす」という概念に囚われています。
 これによって、ランカは自分のルーツに繋がる大切な歌の「曲」と「歌詞」に手を入れられて――つまり、全くの別物、ねじ曲げられた紛い物――、それでも「歌うべき(と周囲が言っている)事をする事で、自分を騙している」状態なのだと思います。
 また、アルトがビルラ氏と会って何を思ったのかは明確には描写されてはいませんが、ランカとのアナロジーを考えると、アルトもランカと同様に「〜すべき(と周囲が言っている)事をする事で、自分を騙している」んじゃないかと思います。
 シェリルは、体調が悪い上に、ランカに「ここ」を奪われつつありますが、新EDが象徴しているように、それで黙っているシェリルじゃありません。フォールドクォーツのイヤリングの件もありますし、シェリルはまだまだこれからです。寧ろ、今のシェリルは「〜すべき」から自由なので、アルトとランカを「〜すべき」から自由にする役割はシェリルが担っているのではないかと思います。

 今現在、明らかな作中悪であるグレイスとレオンによって利用されているランカ。それに対して、先回グレイス「達」によって「不確定要因」として認識されたアルトは、「偽りの舞台」を打ち破り、グレイス「達」の「脚本」を叩き潰す特性を与えられていると考えられます。それを象徴するのが、アルトが拘る「自由な飛翔」ですね。その「飛翔」という行為自体は、マクロス・フロンティアという「偽りの空」から飛び出し、歌舞伎という「偽りの大地」から飛び出しているという事実です。
 ただ、いずれマクロス・フロンティアという「偽りの空」にも価値を見出し、歌舞伎という「偽りの大地」にも同様に価値を見出すとは思いますが、それはあくまで「帰ってくる場所」としての価値だと思ってます。

 また、シェリルも、今話で口にしていましたが、シェリルの「閉じこめられるのが嫌」という発言からも、いずれシェリルが、グレイスやレオンの思惑を超えて、彼女たちを見返すべく「閉じこめられた場所」を破って出てくる日が来るのだと思ってます。

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次回予告

 マクロスF(フロンティア)第17話「グッバイ・シスター」

 クラン大尉可愛いよクラン大尉!姐さんもミシェル攻略に向けて頑張れ!