マクロスF(フロンティア)第17話感想&備忘録「グッバイ・シスター」

 今話はオズマ・リーが自分自身の「役割の変化」を悟り、そして受け入れ、オズマの「ここ」が大きく変化する話でした。

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本編感想

「ランカの兄」として

 一つはランカの兄としての役割。今まで「子供」扱いしていたランカを「大人」になったと認識し、ランカに過剰に干渉せず守る事に徹する態度への変化。

「もういいんだな、俺は。」(オズマ・リー)

「お前も、お前の夢も、俺が守る!」(オズマ・リー)

「もう一人のランカの兄」として

 恐らくブレラ・スターンはランカの「本当の兄」だと思うんですが、オズマ・リーがその事実に気付いた事で、「もう一人のランカの兄」として、ブレラ・スターンに「兄」としての姿を身を賭して示していました。

「貴様らは何を企んでいる。
なぜランカの歌を、あいつの夢を道具にする!?」(オズマ・リー)

「だからこそ、歌が必要なんだ、彼女の声が。」(ブレラ・スターン)
 
「それが―――」(早乙女アルト
 
「それがどうしたぁ!!」(オズマ・リー)
 
「!!」(早乙女アルト

 ところで、先回の感想で、アルトとランカが「〜すべき(と周囲が言っている)事をする事で、自分を騙している」と書きましたが、その点で作中悪にパラメーターが偏り気味なアルトが、「俺がランカを守らなくてはいけないんだ!」と、自分自身の確固たる意思で戦うオズマに「それが―――」の後の台詞を取られているんですよね。これは、アルトがマイナス要素を抱えている為であり、それを象徴するのが、アルトとランカが「これでいいんだよね?」、「俺は良いと思う」と、他人の意思を鵜呑みにして、悪く言えば「馴れ合っている」状態で、アイ君に「(紙飛行機)の翼をぐしゃぐしゃに破れた」シーンだと思います。
 ランカも同様に、「ナナセさんの気持ち」を利用してランカを搦め手に掛かってきたグレイスによって、嘗て中止されたコンサート(=エルモさんが「銀河の歴史を変える」と言った象徴的イベント)が、「銀河を手中に収める」という自己の為に利用する為に作中悪の属性を混ぜて歪められて行われたように、やはり今のランカはマイナス要素を抱えています。
 だからアルトとランカが今、ビルラ氏に、或いはグレイス・レオンに追従して、お互いで「それでいいんだ」と、「馴れ合っている」状態は、いずれオズマ、そしてやはり先回の感想でも書きましたが「〜すべき」の対極に陣取っているシェリルによって是正される事になると思います。主人公もヒロインももっと頑張れ。それとシェリルは辛いと思うけど負けるな!

「キャシーのパートナー」として

 最初から焼け木杭に火が付く状態だったのが、今回「オズマが死んだ」と思った事で、完全に顕在化した事になります。年増で行き遅れなのになんだこの可愛らしさは。(毒)

「妹も、惚れた女も、守れないで何が男だ!」(オズマ・リー)

 余談ですが、私は今話で「オズマは死んだ」と考えています。
 「ランカの親」から「ランカの兄」へと役割が移り、本当の兄であるブレラ・スターンの登場により「ランカの兄」という役割を(半分)返却する事にもなり、更に今回の「戦死騒ぎ」によって、キャシーとの再接近、これらが指すのは、これからのオズマの役割が、「ランカの一番大事な存在の委譲」、「ランカの肉親の座の委譲」、「一番近くいる人間の座をランカからキャシーへ委譲」など、「委譲」という言葉に溢れているという事だと思います。それらの意味で、今話はまさしくオズマの「ここ」が大きく変化する話だったと言えると思います。
 エンターテインメントとしては、「オズマが死んだ!?」と思わせる叙述トリック的な引っかけと、その後のパインケーキの事をランカがきちんと覚えていて、この10年で本当に「兄と妹」になったのだなぁとほのぼのとするいいお話だったと思います。

その他

 ミシェルとクラン姐さんのやりとりを見ながら、二人のカップリングの先には未成年者略取による逮捕しか待っていないなーと感じました。(毒)

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次回予告

 マクロスF(フロンティア)第18話「フォールド・フェーム」

 言ってなかったかもしれませんが、私はランカ派というよりはシェリル派です。シェリル頑張れ。

業務連絡

 マクロスFとは関係ないですが、日曜日放送のプリキュア5とコードギアスの感想は遅れるかもです。よろしくー。(えへ)