マクロスF(フロンティア)第20話感想&備忘録「ダイアモンド・クレバス」

 今回は、先回で全て積み上げられてきた「物語」が一つずつ動き出す話でした。
 「命を賭けて恋する」から、「命を懸けて戦える/歌える」のに、病魔をアルトに知られるのが怖いから「恋」からも半ば逃げ出したシェリルは「命を懸けられないから」歌えなかったし、恋する気持ちを置いてきぼりにしたランカの歌もまた、「命を懸けられないから」ヴァジュラに逆に作用してしまう。

 命短し恋せよ乙女達。

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本編感想

ミハエル・ブランクラン・クラン

「いいかミシェル、よく覚えておけ!
アルト、貴様もだ!
ミシェル、死ぬのが怖くて、恋が出来るか!」(クラン・クラン

「なあアルト、人を本気で好きになるのは、命懸けなんだな。」(ミハエル・ブラン

 クラン姐さんの「命懸けの恋」に対して、ミシェルも「命懸けの恋」で答えた事で、この二人の恋は、アルトとランカ、そしてシェリルに「命懸け」という波紋を広げるという効果をもたらして、とりあえず決着が付いた事になります。
 この先、仮にミシェルが奇跡の生還を果たすとしても、二人揃っての役割はとりあえず収束したと考えて良いとおもいます。因みに、ミシェルは、姉の「フレンドリー・ファイアー」の件について、何か知ってそうなグレイスさんから何の言質も貰っていないので、あの出血で宇宙に放り出されたのに生きているなんて有り得ないとか無粋な事は抜きにして、生存している可能性は残っていると思います。
 次回ミシェルの遺体が見付かって葬儀が行われたりしたら困りますけど、クランが遺体ではなくミシェルのよすがを求めてヘルメットを抱いているのを見ると、遺体は見付かっていないと考えていいと思います。

 というか、無粋とか論理とかはどうでもいい、クラン姐さんを泣かせたら私が貴様を殴る。(バカ)

ランカ・リー

 第一話から書いてますけど、マクロスFの着地点は「俺は/私は、『ここ』にいたい!」という所にあります。
 その為には「恋」が必須で、「命懸け」で恋しなくてはならない。
 「命懸けで恋する」から、その人の為に「戦える/歌える」。

 なので、アルトとシェリルの仲を誤解してしまって、「『ここ』にいたくない・逃げ出したい」と思ってしまったランカには、ヴァジュラを止める事はできない。

「胸が、痛いよ。」(ランカ・リー

シェリル・ノーム

 シェリルは戦禍の中でクランとは別に「命を懸ける」事に気付いて、再び歌い始めるワケですが、第6話「バイバイ・シェリル」で左耳に付けていたイヤリングを今度は右耳に。
 以前は「右耳のイヤリングが無い」という事が、逆にアルトとの絆の証しだったのに対して、今度はその「右耳にイヤリング」を付け直して、あの時はアルトを想って歌っていたのに、今は「みんなの為」に歌うという、ランカが一度は捨て去った選択肢を取るという行動は、シェリル自身の内面の変化――全く口惜しい事ではりますが、恐らくアルトに対する気持ちの整理に繋がる――を意味するのでしょう。
 つまりは、「命懸けで恋する」という最強の作中善のパラメーターの内、その「アルトの為に」に割くべきうちのいくつかをシェリルは「みんなの為」に割いたワケですが、ランカの「アルトの為だけに」というのも、あまりにも周りが見えてないし、「俺は/私は、『ここ』にいたい!」というのに必要な、「ここ」という、自分の住んでいる所、所属している所に対しての愛着を全く感じないので、気持ちのうち、「アルトの為に」への比率を多くするか、「(マクロスフロンティアに住む)みんなの為に」への比率を多くするかで、アルトのパートナーが決定されるのだと思います。
 だから、マクロスFに於ける「恋」は「相手だけ」ではなく、周囲のみんなも合わせて「フロンティア全体」も大好きだと言わなくちゃいけない、という事。

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 ところでさ、ランカって可愛いかな?(ドクロ)

 くどいようですが私はシェリル派です。

ライオン

ライオン

次回予告

 マクロスF(フロンティア)第21話「蒼のエーテル

おまけ

 ミシェルの死が全く予想外だったので、かなり精神的に大ダメージです……