機動戦士ガンダム00セカンドシーズン第5話感想&備忘録「故国燃ゆ」

 今回は「罪の意識」の話。より正確に言えば、「罪の意識」で行き場が無くなってしまう話。最終的な話の着地点として、「居場所」へと帰着する定石です。(たとえば今はマリナさんの手を取れない刹那がマリナさんの手を取る、といった感じ)
 「罪の意識」と対立する要素として、非道な作戦を平気で実行する「罪の意識」が無いカタロンとサーシェス、そしてオートマトンを対比して、視聴者に「心」というガンダム(=平和の象徴)に必要な要素を印象的に見せるという意図があると思います。

「感じてはいるさ。俺は二度と、あの中には入ることは出来ない。」(刹那・F・セイエイ)

沙慈・クロスロード 「平和」な日常に戻りたくて独断専行、その結果カタロンの情報を話してしまう カタロンの基地の場所がバレて虐殺を招いてしまう。
ソーマ・ピーリス 「平和」な日常を続ける為、また家族を無くしてしまったセルゲイさんの為に敢えて「娘」になろうとする 虐殺を自分が人並みの幸せを望んだからだと苛む

 

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本編感想

「あの子供達も犠牲者だ、君達が変えた世界の。」(沙慈・クロスロード
 
「ああ、そうだな。」(刹那・F・セイエイ)
 
「何も感じないのか!?」(沙慈・クロスロード
 
「感じてはいるさ。俺は二度と、あの中には入ることは出来ない。」(刹那・F・セイエイ)
 
「それが分かっていて、何故戦うんだ!」(沙慈・クロスロード
 
「理由があるからだ。分かってもらおうとは思わない、恨んでくれてかまわない。」(刹那・F・セイエイ)

 「戦う理由」は有った。
 沙慈・クロスロードソーマ・ピーリスにとっては「平和」な「日常」に戻りたいだけだったのに、それが結局自分自身が「罪の意識」を抱いてしまう結果を招いてしまう。
 刹那はそれをずっと前に目の当たりにしてしまっていて、「平和」が欲しかったから母親を殺してテロ組織の構成員になって、「戦いの中でその『罪の意識』に初めて気づいた(これ大事)」のですが、刹那の場合も、沙慈君達と原点は同じで、結局「平和」が欲しくて良かれと思ってしたことが結局「罪の意識」を抱く結果を招いてしまった。
 結局、沙慈君は自分自身が発した糾弾の言葉が自分にそのまま返って来る皮肉を味わい、刹那の事を簡単に責められなくなってしまいます。

 そしてこの刹那の言葉がまた辛い。マリナの手を取って、「平和」な「日常」を、過去に一度それを自らの手で破壊してしまった刹那が一番欲しているのに、でもだからこそ、その「罪の意識」がそうさせない、そうしてはいけないと刹那自信を苦しめている。

 そして、この時の沙慈君にはその意味も分からないし、分かろうともせず、ただやり場のない怒りをどうする事もできずにいる。この空気の読めなさが実に沙慈君らしい。

 そして満を持して「無意識の悪意」の急先鋒サーシェス(ミスター・ブシドーはまだ救いがあるという意味か、戦闘から外れていますけど)が登場。

マリナ・イスマイール

 今、「平和の象徴」は「ガンダム」であるワケですが、そのポストを「マリナ・イスマイール」が引き継ぐべく、これからどんどん重要になっていく筈なのですが、何故子守り…。いや、分かるけど。刹那が失った「居場所」を、マリナさんの手を取れば(一応)手に入れられるのに、今は刹那本人が拒んでいる。でも、刹那自身はその手を取りたくてしょうがない…という。

 でも何故子守り…いや、似合ってるけど…。
 いや、でもね…(以下エンドレス)

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次回予告

 機動戦士ガンダム00セカンドシーズン第6話「傷痕」

 セルゲイさん、ソーマお嬢さんの同情を絶妙のタイミングで引いてうまいこと美少女囲いやがったな…。ソーマお嬢さん逃げてー!(バカ)