俺は人間をやめるぞ！スザクーーッ！！ 〜復讐のコードギアス 感想 第一話 魔神が生まれた日〜

　「若者はいいな。時間がたっぷりある。後悔する時間が。」

　チェスで呑気に遊んでるテメエに言われたかないわボケ。という突っ込みはともかく、冒頭の如何にもな門閥貴族の台詞ですが、密かに良いこと言ってやしないかと思いました。もう登場することも無いでしょうが。

　「契約」や、「謎の少女の正体」など、分からないことは沢山ありますが、今回は、ルルーシュとスザクの対比が印象的でした。

　それと色々爆弾を抱えた設定です。確かに、ＴＢＳでしか、しかも深夜でしか放送できそうにありません。
　
ルルーシュ
　「それに温いんだよ貴族って。特権に寄生しているだけだから。」

　「ブリタニア人」という特権で守られていながら、自身を「ブリタニアを憎むブリタニア人」という主人公ルルーシュ。
　けれど実際は、理を知り情を図るのに長けているが故に、幼い頃の「ブリタニアをぶっ壊す」という言葉を自ら曲げて生きている。負け戦が出来ないタイプですね。



　ルルーシュ 　「 全く変わらない世界に飽き飽きして、でも嘘って絶望で諦めることもできなくて･･････」

　「それに俺たちが泣いたって、死んだ人間は生き返らない。」　「どれだけ背伸びしたって、どうせ世界は変わらない。」

　一方、特権を持たない"イレブン"である嘗ての親友スザクはブリタニアの軍人になって幼い頃と変わらずまっすぐなまま努力を続けていたようです。

ブリタニア軍人
　「お前は、ブリタニアに忠誠を誓ったんだろう。」
スザク
　「それは･･･、自分はやりません。民間人の、彼を撃つような事は。」

　ところでルルーシュはスザクが自分を撃たなかったのが意外だったようです。
　
　これはとりもなおさず、逆の立場ならルルーシュはスザクを撃ちかねないという事ですが、これがルルーシュとスザクの決定的な差なんでしょうね。
　
　これは、ルルーシュもスザクも、人並み以上、人間として恐らく最高水準の能力を持ちながら、「ほぼ不可能な可能性」を「そんなのゼロと同じ」とするルルーシュと、「それでもゼロじゃない」とするスザクの違いなんじゃないかなと思います。
　しかも、今回のラストに来て、虐殺を是とするルルーシュと、虐殺を是としないスザクの方向性が決定的に乖離してしまったようです。

　 しかも今回ルルーシュは、「ゼロ」をひっくり返す「力」を手に入れてしまいました。危険です。危ないです。ルルーシュは「ほぼゼロ」な「負け戦」は絶対に やらないタイプですが、逆に、「希望」や「楽観」を排除した上で充分な勝算があれば、自分の頭脳と能力を限界まで活用して、実行するタイプの人間です。

　これから先、「力」によって徐々に道から外れて行く主人公ルルーシュと、どこまでも正しき道を歩くスザクが図らずも対立していく事になると思われますが、
　主人公はレジスタンスに関与しながら、「能力」を使って「王」へ向かってブリタニアの中でのし上がって行くのではないかと思います。
　「王様から動かないと、部下が付いて来ないだろ。」　「王の力はお前を孤独にする。」

　 というのも、単に「ブリタニアをぶっ壊す」だけなら、ルルーシュがブリタニアの皇位継承候補である必要は無いので、これ以後、皇位継承候補という事実を利 用して、表ではブリタニアの皇位継承候補として皇位を目指して振る舞いつつ、裏では「ブリタニアをぶっ壊す」為に権謀術策を巡らせる事になるんじゃないか と思います。
　けど、対立して行くはずのルルーシュとスザクが同じブリタニアに属するというのも違和感が。（或いは、ルルーシュがレジスタンスに掛け合って反動勢力を結集してルルーシュを皇帝としてブリタニアから独立戦争を開始するとかかな。）

　一つ分からないのはルルーシュと「謎の少女」との関係。冒頭のルルーシュとスザクの過去を傍観していたのも彼女のようですが、ルルーシュが皇位継承候補ということと関係があるかもしれません。
　 そもそも、「謎の少女」の存在がブリタニアの存亡に関わるレベル、というのが常軌を逸している上に、なぜエリア１１にいたのか、機密情報なら本国でという のが基本であろうに。つまり、「謎の少女」の存在が、戦術レベルを飛び越して戦略レベルの脅威になりうるということ、また、少女にはエリア１１にいなけれ ばならなかった理由があり、また、ブリタニアには「謎の少女」を殺せない理由、例えば研究目的、それ以上の理由などがあるということなのでしょう。

　また、この手の話には、「陰謀」というのが常套手段であることを忘れてはいけません。おそらくは冒頭の「日本の地下資源」というヤツが関係して来ると思われます。

　その理由は、「ギアス」、「ルルーシュ」、「謎の少女」、「(表では)日本の地下資源(と呼ばれている何か)」、これらの要素が絡まって展開すると思われます。

　ところで、昔「闇の末裔」という漫画で、遺伝子的に「紫色の瞳」はあり得ない、人外の印ということを書いておられましたが、某スーパーコーディネーターもルルーシュも瞳の色は「紫」ですね。穿ちすぎですかそうですか。そうでしょう。私もそう思います。

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