人が人を選ぶにあたって一番『大切な』事は何だと思うね?それは『信頼』だよ、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア君。人が人を選ぶにあたって、最も大切なのは『信頼』なのだ。それに比べたら、頭が良いとか、才能が有るなんて事は、この白米の歯屎程の事も無いのだ…。 コードギアス第12話感想 〜キョウトからの使者〜
今回は、「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア」、「ルルーシュ・ランペルージ」、「ゼロ」としての三面性がそれぞれ矛盾し始め、相克する話でした。
ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアとして桐原に接触して「キョウト」からの信頼を勝ち取り、ゼロとしては黒の騎士団のゼロに対する不信感を「キョウト」の京都六家の一人、桐原氏の御墨付きで 払拭し、統率力を強化する事が出来たものの、ルルーシュ・ランペルージとしてはシャーリーの言葉で信念を揺るがされるという結果になりました。
自身の信念を信じてここまで走り続けたルルーシュですが、ここで決断を強いられます。
シャーリーをこれ以上欺かずにゼロとしての存在を消すか。 シャーリーを欺き続けてもゼロとして行動し続けるか。
言うまでも無く後者でしょうが、この決断によってルルーシュは三つの矛盾する顔を抱えて精神が引き裂かれる事になるのでしょう。
今回、三つの顔それぞれにヒロインと接近したのは、ルルーシュにその選択を促す事を象徴していると思われます。
いよいよルルーシュも主人公らしく葛藤する事になりそうですね。
どのヒロインを選ぶかという事は、三つの内、どの自分を選ぶかと言う事に等しいのです。
ルルーシュには、是非とも慎重に正ヒロインを選んで欲しいものですね。
ルルーシュ
「感謝します。キリハラ。」
桐原
「征くか。修羅の道を。」
ルルーシュ
「それが、我が運命ならば。」
けれど、いくら「ラブレター」を貰ったからって、桐原の爺様には靡かないで。
視聴者からのお願いです。
・ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアとC.C.
C.C.
「よせ、邪推は。そんな筈ないだろ。私にとってあいつは―――」
「契約は守れ。」という言葉が象徴しているように、C.C.個人の恋愛感情よりも、集団としての論理を優先する立ち位置を選んだC.C.としては、感情を揺り動かされてもすぐさま恋愛関係に発展するというワケでもなく。
それでも、前回を承けて、二人の信頼関係はかなり強まったようで、ピザ分の働きはしているようで何よりですね。(笑)
それと、C.C.にとっては、「願い」=「生きる目的」の様ですが、本来、「願い」は生きる中で生じるものであり、目的そのものではない筈なので、C.C.の「願い」はどこか不自然なモノのような気がします。
そうでなければ、「願い」が叶うと生きることが出来なくなってしまいます。
前回の感想で、C.C.には個人としての「願い」と、集団としての「願い」のが有るのではないかと予想したのですが、それっぽいですね。
C.C.
「本気か?私に頼み事というのは。」
ルルーシュ
「ああ、お前がくれたヒントを元にしたよ。京都の意図はどうであれ、俺は連中の力を手に入れたいんだ。」
C.C.
「それがお前の願い――生きる目的に必要なら手を貸してもいいが?」
ルルーシュ
「必要だ。C.C.、お前が。」
C.C.
「分かった。それから忘れ物だぞ。」
ルルーシュ
「忘れたんじゃない。今日はいつ帰れるか分からないから、断りの電話を入れるつもりだったんだ。」
C.C.
「契約は守れ。」
・ルルーシュ・ランペルージとシャーリー・フェネット
ミレイ
「でも、少し覚悟しておいた方がいいよ。変わらないものなんてどこにも無いんだから。」
ミレイさんの言った言葉は残酷にも最初にシャーリーに降りかかります。
その日の空を象徴するように、シャーリーが誘ったコンサートは奇しくもモーツァルトのレクイエムの第8曲「涙の日」、父親を喪ったシャーリーの涙が、喪った悲しみを知っていた筈のルルーシュの信念を激しく揺さぶる事になるようです。
シャーリー
「ねえ、ルル。ゼロって弱い者の味方、なんだよね。」
ルルーシュ
「あ、ああ、そう言ってたな。」
シャーリー
「なら、なんで、私のお父さん殺したんだろう。お父さん、優しくて、私ぶたれた事も無くて、何にも悪いこと・・・ なのに、埋められて、息、苦しく・・・ どうして!?なんでお父さん、私の・・・ こんな、嫌よ!嫌!嫌! お願いルル、助けて・・・・・・」
・ゼロと紅月カレン
ゼロ
「カレン、君も私の素顔が知りたいか?」
カレン
「あの人は知って―――いいえ、失礼します。」
素顔を見せないことに黒の騎士団内部でも不信感が澱んでいる中で、カレンさんだけが浮いていますが、これは、C.C.という存在を意識している為に、ゼロに対しての特別な存在でありたいという、その胸に燻る不信感の裏返しの感情というワケですね。
ゼロを庇うセリフは、実は自分に言い聞かせているワケなのですよ。
それにしても、C.C.の存在が相当ショックだったようですね。
しかし、ナイトメアを前にしてもゼロを庇おうとするカレンさんには、危うさすら感じましたよ。
付箋だらけの紅蓮弐式の取り扱い説明書が象徴しているように、それが恋愛感情という事にも気付かずに、努力の方向がね、パイロットとしては正しいんですが、ヒロインとしては大いに間違えまくっているんですよ。
でもそこが可愛いんだなぁカレンさんは。(ダメ)
カレン
「ゼロの正体がどうかなんて問題じゃないでしょ!ゼロはあのコーネリアを出し抜く実力を持った、あたし達黒の騎士団のリーダーよ?他に何が必要だっていうの!?」「お待ち下さい!ゼロは我々に力と勝利を与えてくれました!それを――」
・神楽耶
「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア」、「ルルーシュ・ランペルージ」、「ゼロ」全てと接点を持つC.C.、「ルルーシュ・ランペルージ」、「ゼロ」と接点を持つカレンさん、「ルルーシュ・ランペルージ」とだけ接点を持つシャーリー、相互理解を好感度のパラメーターとするのならば、ヒロインとしての力関係は明白ですが、少し離れた所から、「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア」、「ゼロ」と接点を持つ事になりそうなのが、今回登場の神楽耶さんです。
クレジットを見ると、神楽耶が名前のようですが、wikipediaの随分前の版では、初期設定ではサクヤという名前だったそうですが、カグヤの誤読でしょうか。(今は削除されています。)私は一次資料を見ていないので断定出来ないんですけど。
サクヤといえば、日本神話にはコノハナノサクヤビメという神様がありまして、富士山に祭られている神様なのだそうですよ?(豆知識)
名前からは、スザクとの関係性ははっきりしませんが、ルルーシュと桐原さんの回想から判断する限り、京都の神楽耶さんとスザクは兄妹の様です。
正ヒロイン争奪戦には参加しそうにない、というか、兄一筋っぽい彼女ですが、紅蓮弐式の譲渡も彼女の口添え有っての事だったようです。
けれど、肝心のスザクの方には妹属性は無いようです。
そんな報われない彼女を、当ブログでは出来る限り応援して行こうと思います。
神楽耶
「希望ならありますわ。」
・・・
「黒の騎士団か。紅蓮弐式もそうだが、枢木スザク救出の件以来、ゼロに御執心ですな。」
・ゼロと黒の騎士団のゆかいな仲間達
8話の感想でも書きましたが、組織が大きくなれば、組織としての柵が生まれます。
当然ゼロもそういったものと無縁でいられるワケでもなく、当然対人関係に悩んでいます。
扇さんもゼロを信じたい気持ちはカレンさんに次いで強いわけなのですが、不信感を持っている古参メンバーとの軋轢に苦しんでいたのです。
そんな気持ちがあったからこそ、ゼロの仮面を取る役を引き受けたのですね。
扇
「すまないゼロ。でも、俺もお前を信じたいんだ。信じさせてくれ。」
玉城
「待ってくれ!俺は関係ねーからよぉ!」
普通に最低な玉城君。こういう姿見続けたら、私ならコイツには付いては行きませんが、あれだけ頭がアレなのに、支持し続ける黒の騎士団の(自称)幹部連中も相当アレだと思いました。
昔からの慣習だと、革命の為の資金を遊びに使ったしていると、古参メンバーだからって、いつまでも幹部のままでいられると思っていると、足下を掬われてしまいますよ?(ドクロ)
いつまでもあると思うな人気と仕事
仕事中に飲酒してたら、普通はクビですよ。
幹部は威張るのが仕事ではありません。仕事をしてから威張りましょう。
けれど、一方で、玉城君の福利厚生というか、ストレスを適度に発散させるというのは、士気を保つ点でも強ち間違っているというワケではありません。
ただそれは、こういう組織では、「アメとムチ」の原則の下に、No.1はカリスマ性を、No.2は組織との摩擦を減らすとかいうような場合に実施されるもので、玉城君がやってるような、組織の統制を乱すだけの行為では、崩壊の原因に繋がるだけですね。
「アメとムチ」ですから、「アメ」やり過ぎも禁物です。
それが当然と思ってしまったら、より高い水準を要求し続けることになります。
何事も適度に。節度を持ってやりましょう。
ともあれ、視聴者の玉城君への不快感もそろそろ頂点を迎えつつあるようですので、そろそろ玉城君は凋落して行くんじゃないかなと思います。
今回の京都のお墨付きが玉城君や他の黒の騎士団のメンバーに、どう影響を及ぼすか、楽しみですね。(邪悪)
玉城
「お、俺のせいじゃねえぞ!もう俺達は大組織なんだ!人間が増えりゃ予定外の―――」
カレン
「大物ぶって後輩に奢りまくるのが予定外?」
玉城
「お前なぁ。」
カレン
「私知ってんだからね。どんなトコ行ってんのか!」
玉城
「え!?そうなの?」
ゼロ
「取り敢えず、会計は扇が仕切ってくれ。」
玉城
「待てよ!昔っからなぁ、金は俺が預かってきたんだ。それを―――」
玉城
「なぁ、どうすんだよ。」
扇
「それは・・・」
南
「俺達は元々ナオトのチームだ。」
吉田
「妹のカレンは構わないが・・・」
玉城
「二代目のお前がリーダーを譲るかだ。」
扇
「ナリタの時はみんなも・・・」
井上
「でも、脅迫に近かったし。」
杉山
「俺達幹部にすら秘密なんて。」
扇
「・・・・・・」
・正義の在処
ロイドさんにまともな答えを期待するスザクもスザクですが、それを分かっていてもロイドにすら問いかけざるを得ない程に煮詰まっているのでしょう。
ゼロを非難する一方で、それ以上に人を殺してきたコーネリアは否定しないのでしょうか。
不自然ですね。
それよりも、もしかしたら、制作陣は、物語の構成として、スザクの不自然な正義の概念自体を、現代社会の抱える正義と重ねて、何らかの答えを導き出そうとしているのかも知れませんね。
スザク
「ロイドさん、ゼロは、黒の騎士団は何をしようとしてるんでしょう。こんな犠牲の上に、何が出来ると思ってるんでしょう。」
ロイド
「正義の味方だろ?本人の言葉によれば。」
スザク
「これが正義ですか!!」
ロイド
「おいおい、まさか正義とは何かなんていう恥ずかしい議論をふっかける気じゃあるまいね?僕らは一応軍人だよ。」
・エディンバラの屈辱
女性教師
「トラファルガーの敗北により、エリザベス三世は、革命勢力にエディンバラで包囲されたわけですが、王はブリタニア軍の尽力で植民地アメリカ、つまり今我々が―――」
第3話で出た「エディンバラの屈辱」が出てきました。私の予想では、宗教関係の事件だったんですが、全然関係ありませんね。
と、なると、この革命勢力はナポレオンの勢力で、史実とは違って大負けしたのでアメリカ大陸に渡ったんでしょうかね。
あと、アメリカという言葉、存在したみたいです。
・縦社会って大変だ
冒頭の事務次官は散々苦労させられた今は亡きクロヴィスの政策で文句を言われ、バリバリの武官のコーネリアとその幕僚達からは、クロヴィス以上に無茶苦茶な要求を突き付けられ、大変です。
ゼロは頭がアルコール漬けの自称幹部達にほとほと手を焼いています。
生徒会は、ミレイさんの指揮の下、チャキチャキと動いてます。
やっぱり、ミレイさんがブリタニア皇帝になればいいと思いました。
・その他の登場人物
一人で佇むは、警備員に捕まらないのが不思議なくらい銀髪のアブない人。誰を見ていたかが問題ですね。ルルーシュでしょうか、C.C.でしょうか。
覗きは警察に捕まるがいいと思います。
ラクシャータさん、性格悪そう!ロイドさんと同じマッド・サイエンティストと見た!
ヴィレッタさんがルルーシュに辿り着いた!ひゃっほう!
ジェレミアさんは軍には帰還せずに戦死扱いになっているようです。一日も早い御帰還を願っております。
ニーナ、そちらは修羅の道ぞ。退け。
・次回予告
扇さん、撃つ!
ディートハルトさん、奔る!
コーネリア様、叫ぶ!
ランスロット、出る!
ルルーシュ、負傷!?
次回「シャーリーと銃口」
別にシャーリーが撃つわけではないと思いますが、怪我したルルーシュがちょっと心配です。
あと、いつになったらOPとEDは変わるんですか?
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