ああ…確かに『覚悟』はできたよ…ゼロ、お前の…『行動』がなかったら…俺は…ヤケに…なっていた…。 コードギアス第19話感想 〜神の島〜
今週は、ルルーシュとユーフェミア様、スザクとカレンさんが邂逅。
会話を重ねる中で、ギアスの影響で変わり始めたスザクを初めとして、4人がそれぞれの進む道を選び始めたのが印象的でした。
ユーフェミア
「星は変わりませんね、あの頃の儘。昔、みんなで見上げたあの星空と、あの頃の儘でいられたら―――。・・・戻れないのですか?」
ルルーシュ
「そうだね、戻れたら、どんなにいいだろうね―――――」
もう戻れない過去が切ないです。
・ルルーシュとユフィ
ユーフェミア
「あなたは、ゼロ?それとも―――」
ルルーシュ
「ルルーシュだよ。ああ、今ここにいるのは、君の知っているルルーシュだ、ユフィ。」
ユーフェミア様が物語の核心的な質問を。
ルルーシュが自分の名前を、「ゼロ」でも、「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア」でもない、ただの「ルルーシュ」と思っているのは重要ですね。
やっぱりルルーシュは他の何よりも「ルルーシュ」でいたいんですよ。
でも、ルルーシュはこれから先、ナナリーの元を去って、つまり「ルルーシュ」の名をすてようとしてるんです、切ないよ。
それに、肉親のクロヴィスでも容赦せずに殺害し、コーネリアも場合によっては手に掛けようとしていたルルーシュにとって、今回のユーフェミア様との再会は大きいですよ。
ユーフェミア
「えっと、じゃあ果物か何か探してきますね。」
ルルーシュ
「気を付けるんだぞ。」
この限られた時間しか、二人が兄弟でいられないのが辛いです。
でも、ユーフェミアにマントを貸したり、ユーフェミアに肉体労働をさせなかったりと、優しいよね、ルルーシュ。
スザク
「ゼロは僕の父と同じだ。世界は自分を中心に存在していると思っている。だから多くの人の血が流される事を承知で――――」
まだスザクの方はゼロの正体がルルーシュだという事を知らないので、ゼロに対して誤解が有るので、今回ユーフェミア様がゼロの正体を知った事で、ルルーシュとスザクの和解をどう持ってくるか。
その為の条件として、まず一つ目は、ユーフェミア様がコーネリア様の庇護から決定的に離れるイベントの存在。
現段階では、ブリタニア人からは「お飾りの副総督」と陰口を叩かれたり、カレンさんからも「お人形の皇女が!」と言われてマジギレしたりしていますから、周囲を納得させるだけの行動力を見せつける必要があります。
一番あり得そうなのが、コーネリア様が戦死して、ユーフェミア様がその衣鉢を継ぐというもの。
ユーフェミア
「ごめんなさい。でもお姉様は色々調べているみたい。マリアンヌ様はお姉様の憧れだったから。」
今回の事で、コーネリア様がマリアンヌ殺害の真相を知らない事が分かったので、ルルーシュの抹殺対象リストからは外れてしまっている筈ですから、コーネリア様の存在意義は他に有る筈なんですよ。
他の形としては、コーネリア様がスザクにユーフェミア様の事を託すというもの。
今回もコーネリア様の優しい面を描写してる辺り、死亡フラグにしか見えませんし。
どっちにしても、コーネリア様の命は風前の灯火です。
頑張れコーネリア様。
・スザクとカレン
ギアスの効果か、スザクから張りつめた強迫観念が薄らいで、穏やかになったような印象を受けます。
何となく吹っ切れた雰囲気です。
カレンさんに、今までひた隠しにしていた「父親殺し」をバラしている辺り、スザクの変革が始まっているようです。
スザク
「諦めろというつもりは無いよ。でもね、僕は知ってるんだ。間違ったやり方で得た結果が何を残すか。行き場の無い虚しさと、後悔だけだって――――」
カレン
「じゃあ教えてよ。お兄ちゃんが生きてた意味って何?間違っているとか、正しいとか、誰が決められるっていうのよ。」
二人の原点の衝突。
初めに「間違ったやり方」で出た結果に対しての反省という原点から「過程」に固執するスザクと、兄の「生きていた意味」を見出す原点からレジスタンスに身を投じ、母の為に「結果」を出そうとするカレンさん。
二人の邂逅で、二人の原点の前提が覆されそうな事を示唆しています。
スザク
「俺は生きなきゃいけないんだ!」
スザクの場合は、「生きろ!」というギアスが「死にたがり」の妄念だけは打ち破っていますから、今後、過度の自己犠牲には陥らないはずです。
また、「ルールを遵守」する妄念の方も、カレンさんに「カレン、騎士団を抜けるんだ。」と、見逃すような事を言っており、崩れ掛けていそうな気配がありますし、カレンさんとの会話でヒントを掴んだのかも知れません。
というか、「ルールの遵守」も、ギアスによる絶対遵守で「命令違反」で破られてしまっていますから、これを機にユーフェミア殿下がスザクをいじめ変えるチャンスです。
今後スザクは「行き場の無い虚しさと後悔」を乗り越えて未来に向かい、カレンさんの場合は、「兄が望んでいた事」を見付ける事が鍵になると思います。
しかし、ユーフェミア様の「死んではなりません!」という声はスザクに届かなかったのに、ルルーシュの声は届くというのが狙っているとしか思えなくもないような気がする可能性も無いわけでは無いような。(何が言いたい)
ルルーシュの声が、スザクを大事に思っている人達を代表していると思うのが正直な見方ですけど、つい穿ちたいという衝動に突き動かされそうです。
カレンさんも、スザクとの話し合いで、今まで思考放棄していたのを改めつつあるので、「差し違えてでも、いつかあんたの白兜を仕留めてみせるわ。」と言ってますけど、スザクを殺せるかというと、多分出来ないんでしょうね。
ところで、カレンさんは両手を縛られているのに、どうやって御飯を食べたんだろう?
ドルイドシステムとか、瞬間移動ができる謎の子供より、そっちの方が気になって堪りません。
・ルルーシュとスザク
甲斐性無しで、挙げ句の果てにユーフェミア様に養ってもらってるルルーシュと、どこでも生きていける生活力のあるスザクが対照的。
やっぱりルルーシュとスザクは相補的な関係にあるんですよ。
ところで、ルルーシュは罠なんか使わずに銃を使って猟をしたらいいと思いました。
ルルーシュ
「俺は――、ユフィ、俺自身が生きる為にも―――」
スザク
「みっともなく足掻いて、生きる意味を探し求める。醜いな、俺は。」
「ナナリー」だけが「生きる目的」だったルルーシュが、ユフィとの会話で「ルルーシュ」として生きたいと、死地を求めていたスザクが、「生きる」と、二人が変わりつつあります。
そして、二人の台詞が被っていたのは、彼らが和解し始めたという証左ですよ。
・シュナイゼルさん
シュナイゼル
「あの場でも忘れてはならない事は優先順位です。そして、イレギュラーが起これば彼が助かる可能性もあった。そこに賭けたのです。ユフィの騎士であり、特派の重要なパイロットである枢木スザクに。」
「優先順位」がシュナイゼルのキーワード。
つまりは、優先順位が低ければ、愛情も憐憫も計りに掛けずに弱者を見捨てるという事であり、これはルルーシュ、スザク、ユーフェミア様、カレンさん、4人が最も憎悪する事です。
優しそうな顔してますが、こいつはルルーシュ達の信念の敵です。
しかし、ゼロの始末を式根島で付けたついでに、神根島の遺跡の調査をするという無駄の無さ、侮れません。
しかも何やら、ブリタニア皇帝の侵攻の真の思惑がちらほらと。
シュナイゼル
「まさか。部下を守れない私が悪いのです。申し訳なかった。」
現時点では確定的な事は言いづらいですが、前回ハドロン砲の斉射を悲しげな表情で見詰めていたのも、バトレーさんを救い、ユーフェミアとスザクの身を案じていたのもシュナイゼルの本心だと思います。
ただ、シュナイゼルにとっては、ブリタニアの「力の原理」に従って切り捨てるべき時には容赦無く切り捨てるだけで、それ以外の時は出来る範囲で愛情も憐憫も掛けるという人物なんじゃないかと。
バトレーさんの場合は、遺跡やC.C.の研究についての打算と、「救いたい」という気持ちの方向が一致しただけだと解釈出来ますし。
つまり、ブリタニアの「力の原理」に最も適応した皇族と言えるのではないでしょうか。
ルルーシュの越えるべき壁というのは分かるんですが、物語の進行上で、ブリタニア皇帝と立ち位置の差別化が私の中で整理が付かないので、もうちょっと観察対象ということで。
もしかして、第一期のラスボスがシュナイゼルで、第二期のラスボスがブリタニア皇帝と「謎の子供」という事かな。
となると、第二期はブリタニアに渡るのかな?
・黒の騎士団
ディートハルト
「ゼロ有っての私達。ゼロがいて、初めて組織があるのです。」
藤堂
「人有ってこその組織だ。貴様の物言いは、実にブリタニアらしいな。」
藤堂
「結果は認めよう。だが、全員の命と比べられるのか!?」
ディートハルト
「時として、一人の命は億の民より重い。元軍人なら常識の筈です!」
「ゼロ」を最優先するディートハルト、「最大多数の人命」を最優先する藤堂さんが対立。
ディートハルトはルルーシュからナナリー達大事な人を取り除いて、より非人間的にしたような人ですし、藤堂さんはどちらかというと、スザクに近い信念を持っている人なので、ゼロとスザクよろしく対立は当然です。
扇
「ちょっと待ってくれ。話しが反れてる!ともかく、こうしよう。ブリタニアの警戒網の外、安全な海域ギリギリで明日一杯待つって言うのは?時間制限を付ければ。」
しかし、扇さんがそんな二人を調停。
先回、ゼロが扇さんを副指令に任命したのは、古参メンバーを黙らせておく為かと思っていましたが、組織の緩衝材として、全体のバランスを取るという点では、扇さん以上の人材はいないかもしれません。
ユーフェミア様と並んで、扇さんは作中での「中庸」に最も近い人物なのかもしれませんね。
二人は調停者に向いてると思います。
玉城君はC.C.に「つまらん男」呼ばわりで、益々小物に。
折角の久しぶりの出番なのに不憫です。
・ガウェイン
カレン
「飛んだ!?ナイトメアが、空を!」
見ていて、パトレイバーでグリフォンが飛んだシーンを思い出しましたよ、懐かしい。
けど、ガウェインが飛んで、高らかに笑い声を上げるルルーシュは、一昔前の悪役の、「今回は私の負けだ!しかし、次はそうはいかないぞ!さらば、また会おう!」と言ってるようにしか見えませんでした。
ま、何とかと煙は高いところが好きって言いますし。
折角新しいナイトメアを手に入れたのだから、もうカレンさんの足を引っ張らないようにして下さい。
ランスロットとガウェインは、アーサー王に仕える騎士だったのですが、色々あって戦い、ガウェインはランスロットにボコられる事になったんですが、史実のヘンリー7世宜しく、ブリタニア王家がアーサー王の系譜に連なる事にして、アーサー王とブリタニア皇帝との繋がりでランスロットとガウェインの命名があったわけなので、C.C.の本当の名前は「マーリン」とか「モーガン・ル・フェイ」とかかもしれませんね。
英語は15世紀に始まった大母音推移で、アーサー王の時代の古英語と、現在の英語はまるで発音が違っていますから、たとえルルーシュの母国語が英語でも、C.C.の名前が古英語なら、「発音も発音もあやしいし」と言ってたのとも矛盾しないし。
ま、それは無いっか。
個人的には、クトゥルー神話みたいな人間に発音出来ない名前を希望してます。
いや、それはもっと無いです、C.C.の本当の名前を呼ぶ時のカタルシスが無いもの。
・その他、投げられた伏線
・神根島の遺跡に唖然とするスザク
OPにも出てくる枢木神社や、妹らしき神楽耶さんが何か関係するんでしょうね。
・逮捕されるスザク
軍人
「枢木スザク少佐、第二級軍紀違反の容疑で逮捕します。」
また逮捕されてるよスザク君。
・日本の国旗を掲げた軍隊
海外に亡命した日本軍の残存勢力とか何かですか?
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