スザク…あなたの『覚悟』は…この登り行く朝日よりも明るい輝きで『道』を照らしている。そして我々がこれから『向かうべき…正しい道』をもッ! コードギアス第20話感想 〜キュウシュウ戦役〜



 スザクとユーフェミア、互いに自分を許せない為にすれ違いながらも、
「大好き」だと肯定され、「生きていて!」と望まれる事で、「過程」偏重の
硬直した思考から脱却、スザク自身と、そしてゼロと和解する事が出来ました。
 この瞬間を半年間ずっと待っていたのです!


 
・あなたが大好きって誰かが思ってる

スザク
「自分には、あなたの騎士たる資格がありません。」

ユーフェミア
「資格なんて、私だって。」

 スザクは過去の罪悪感から騎士の「資格」が無い(=自分を肯定出来ない)と、ユーフェミア様も無力な自分には副総督の「資格」が無い(=自分を肯定出来ない)と思っているワケです。
 だから、一度失敗しただけで騎士を辞退するし、役立たず扱いされて落ち込んだりするんです。

スザク
ユーフェミア皇女殿下は、こんな僕でも認めてくれたんです。だから、迷惑を掛けると、あの人が自分自身を嫌ってしまいそうな、そんな気がして。」

ユーフェミア
「お飾りの副総督、それは初めから分かってたし、やれる事を頑張ろうと思っていたのに。」

 一方でスザクは「迷惑」を掛けたくないからユーフェミアの元を去ったんですが、
ユーフェミアは、「迷惑」なんて思ってなくて、スザクが自分と一緒に歩ける人だから騎士にしたというのに、すれ違い。
 それが、「自分が嫌い」だと思ってるユーフェミアが、同じく「自分が嫌い」だと思っているニーナに肯定される事で、やっぱり「自分が嫌い」だと思っているスザクが騎士を辞退した理由を悟り、

ユーフェミア
「私を好きになりなさい!」
スザク
「はい!」
ユーフェミア
「その代わり、私が貴方を大好きになります!」

 この爆弾発言に繋がるワケです。
 そして、それにノータイムで答えるスザクが好きです。

ユーフェミア
「だから自分を嫌わないで!」
スザク
「そうか、却って心配させちゃったんですね。」

 これで、スザクが「自分を肯定出来ない」点を克服。

 けれど、「僕の存在を全て消して下さい。」と、他人に迷惑を掛けずに死のうと、「生きる」事を諦めてしまいそうになるスザクに対して、スザクを大切に思っている二人、ユーフェミア様の「スザク、死なないで!生きていて!」と、ルルーシュ「生きろ!」というギアスが発動。
 二人の思いを承けて、贖罪の為に、「自ら死地に赴く」のではなく、「生きて活路を開く」事を開眼するスザク。
 そこに登場してスザクの危機を救ったのが、やはりスザクを大事に思っているルルーシュのガウェインと、恰好良過ぎです。

ゼロ
「私は今から敵の司令部を叩く。君はどうする?」スザク
「残念だけどゼロ、お前の願いは叶わない。自分が先に叩かせて貰うよ。」

 そして、先回、それぞれに言い分があり、それぞれが目指すものがある事を無人島で知ったスザクだからこそ、今回自分を助けたゼロに対して、「過程」重視だから、「結果」重視だからといってお互いを完全に否定する事なんて無いと、今この瞬間に目指す先が同じなら一緒に戦う事の出来る境地に到達。

 二人の和解イベント、やっとここまで辿り着きました。
 これだけでもう十分なのに、これでもかと言うくらい和解を象徴するシンクロする場面を連発してくれます。
ラクシャータ
「共同作戦か、ガウェインと、」
ロイド
ランスロットの。」
ユーフェミア
「スザクと、ルルーシュが・・・」

 加えて密かにロイドさんとラクシャータの更なる対立を通して一波乱ありそうな伏線も敷設しているという隙の無さ。

ロイド
「収束出来てる!?僕が完成させる筈だったのに!!」
ラクシャータ
「思わぬ共同作業ね、あー、気持ち悪い。」

 最後にユーフェミア様が、ルルーシュ達の出発点であり、物語の到達点を示唆、豪雨で始まった今話ですが、次第に好転して爽やかな快晴、スザクとユーフェミアにも迷いなんかありません。

ユーフェミア
「スザク、私ね、分かったんです。理想の国家とか大義とか、そういう難しいことじゃなくて、ただ私は笑顔が見たいんだって。今大好きな人と、嘗て大好きだった人の笑顔が。私を、手伝ってくれますか?」

 ルルーシュもこのユーフェミアの言葉の通り、ナナリーの元に帰って来なくちゃね。

 けど、ユーフェミア様が開眼するのには、コーネリア様の死が関わってくると思ってたので、今回のような開眼の形は予想外でした、よりにもよってあんな恥ずかしい方法で開眼するとは。
 これでコーネリア様がルルーシュに殺される可能性はグッと目減り。
 けど、シュナイゼルに切り捨てられる可能性が高いけどね!(ドクロ)

 コーネリア様は、出番は少なくなって気落ちしているところだと思いますが、心を強く持って頑張って下さい。

・澤崎さん
 澤崎さんの役割は、他力本願的に他人の尻馬に乗った人間という点で、これから始まる大きな動きの前に、スザクとユーフェミア様が、自力更生の道を選び、主導的に未来を模索するという立ち位置を明確にする為の存在ですね。

澤崎
「外国に助力を請い、機会を待って何が悪い。それこそが戦略というものなのに!」

 現実世界で、より現実的とか大人な判断とかそういうのはここでは関係無くて、自分では何も行動を起こさずに、もしかしたら永遠に来なかったかも知れないチャンスが偶々起こったのでそれに乗っかった澤崎さんは、物語上ではマイナス。
 それと対照的なのが、常に主導的に未来を掴もうとするゼロの台詞。

ゼロ
「では聞こう!お前達は、誰かがブリタニアを倒してくれるのを待つつもりか?誰かが自分の代わりにやってくれる。待っていればいつかはチャンスが来る。
甘えるな!
自らが動かない限り、そんな『いつか』は絶対に来ない!」


 物語的にはゼロの方が圧倒的にプラス。

 そういう意味で、今回自力で道を切り開いたユーフェミア様、そのユーフェミア様に触発される形で「生きる」事を決めたスザクもプラス。

澤崎
「ゼロ、お前達は日本を憂える同志ではないのか!?」
ゼロ
「我ら黒の騎士団は不当な暴力を振るう者全ての敵だ。」
スザク
「沢崎さん!日本の為ならどうして中華連邦に逃げたんです!?残るべきだった!みんなの為にも!」

 更に、自分達の力では無く、中華連邦の力を頼り、傀儡になる事を承知で形だけの独立政権を、名前だけの日本を打ち立てようとしたのは更なるマイナス。

・その他

■最近いい人化しているダールトンさん
ダールトン
「いえ、それは違います。枢木の件は私も―――」
 ダールトンさんいい人です。
 いい人は死に易いので気を付けて下さい。

■手紙を読んだシャーリー

シャーリー
「ナナちゃんのお兄さんの、ゼロの事。」

「ルル」じゃなくて「ゼロ」なのが切ないです。

■ナイトメアを操縦するC.C.
 ガウェインを操縦するC.C.が恰好良いです。
 一方で偉そうにふんぞり返ってるルルーシュ「お前は働かないのかよ!」、みたいな。

 けど、考えてみれば、身体能力の高いC.C.がナイトメアを操縦するのは道理。
 第一話でスザクに蹴りを入れようとしてあっさりかわされ、第十六話で弱ったマオを殴ろうとしても
DVDのスロー再生のように見切られて、無惨にもかわされ、ナイトメアを操縦しても、毎回ランスロットに破壊されるのがセオリーなルルーシュです。

 向いていないからC.C.が代わったのは当然の流れ。
 けど本当は、玉城君を黙らせようとナイトメアに乗ったに違いないC.C.がラブリーです。

・あとがき 今回は感想の書き方を意識的に変えてみました。
 正確には、書き方というよりも意識の持ち方を変えてみました。
 本当は10分ぐらいでこの水準の感想を書けたらいいなあと、割と本気で思ってます。
コードギアス 反逆のルルーシュ volume 04 [DVD]

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