動画共有でDVDの売り上げが落ちるって、寧ろ逆じゃない?困るのはTV局だけだよ。

 ニコニコ動画にアップされると、DVDの売り上げが落ちるという話があります。
 でも、個人的には寧ろ逆で、対応をきちんとすればむしろ売り上げは上がると思うので理由を挙げてみる。

?動画が上げられている時間は限られている&上げられている動画は断片的。

 「らき☆すた」なんかはその傾向が顕著でしたけど、リアルタイムで放送しているアニメならば、アップされた時点で運営側はそれを把握している筈です。

 つまり、運営側は違法アップを黙認しているのではないでしょううか?

 経験上、1〜2日はニコニコ動画には置かれていますが、それが運営側の「黙認期間」なのだと思います。運営側としては、見たいという利用者側を抱え込みたいという気持ちと、TV局からの苦情の板挟みに遭った結果の苦肉の判断であったとしても、それは視聴者側としては「お約束」とか「作法」として明文化されないルールのようなものに捉えて、「1〜2日間限定の配信」だと受け取られている雰囲気があります。
 この「アップ」→「黙認」→「削除」を繰り返す事で、ニコニコ動画に置かれている動画は期間限定&断片的という形態に落ち着きます。

 結果、本当に面白い作品なら、ユーザーは「本当にいつでも見られる」DVDを買う筈だし、それまでの話を見逃していた視聴者が、今までなら諦めてしまいそうな所を、ニコニコ動画の存在で購買層に組み込めるのではないかなと思います。これを運営側を狙っていたかは知らないけど、「削除」のタイミングさえ的確なら、うまく購買層を増やせるのではないかと思います。

?ニコニコ動画のようにアニメを見ながら他の人のコメントも見る事で、盛り上がる

 言わずと知れたニコニコ動画特有且つ優れたシステム。
 他の視聴者がどんな考えを持っているか、という事が分かりますし、自分の意見も書く事が出来る仕組みは見事としか言いようが無いです。

?過去の作品や、今まで知らない作品、敷居が高そうな作品に気軽に視聴出来る。

 この前脳裡に浮かんできた「キャッ党忍伝てやんでえ」ってなんだっけ?という疑問は、ニコニコ動画ですぐに解決しました。「ああ、あの作品ね。」と。
 懐かしくてつい見入ってしまいましたが、子供の頃は、「ピザ屋さんも大変ねえ」というオバサンタヌキのセリフが好きでしたが、10数年ぶりに見ましたが、やっぱり面白かった。このようにニコニコ動画は、過去の埋もれた作品を発掘して、DVD等の販売に貢献出来る可能性があります。(「キャッ党忍伝てやんでえ」はDVD化はされてませんけど。)

総括

 このまえの「京都の事件」で、TV局が自粛するという事がありました。だったら、名探偵コ○ンなんか何人殺したか分からない〜、とか、TVドラマは普通に放送するくせに、とか、なんでアニメだけ、とか、色々ありましたけど、アニメ制作側に十分な報酬を払わない、利益だけはかっさらっていく、そのくせお偉いさんは根本的に「アニメを馬鹿にしている」だろうなって事、それら、現在の
TV局が孕む各種の問題点がネット環境の整備された今、噴出したという事だろうと思います。

 以上、私個人の意見ですし、ちゃんとしたデータなんて収集してませんけど、アップされて困るのはTV局だけなので、これを機にアニメの周辺の環境改善にTV局も着手すべきなんじゃないかなと思います。

 特に、「ひぐらし」とか色々な作品が放送中止を喰らいましたけど、こういう時に放送局が「公式アップ」みたいな神配慮をすれば良かったのになぁと思いました。

 まあ、「ニコニコ動画にアップされる」→「TV局がアニメ枠を縮小」→「日本のアニメ業界の縮小」という事態は怖いですけどね。