機動戦士ガンダムOO第2話感想「ガンダムマイスター」 - 日がな一日ラらラら日記はーてなっ！

　今話を観ると、登場人物の多くが「自分を殺してる」、「自分を見失っている」という印象を受けました。みんな「これ/それが　ガンダムマイスター/ソレスタルビーイングだ！」とばかり言っていて、「自分の名前」がどこにもない。今話でストラトス兄貴が刹那の名前を呼んでも刹那が反応しなかったのはそのメタファーなのかもね。

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刹那・Ｆ・セイエイの場合

「ガンダムだ･･･、･･･俺がガンダムだ。」（刹那）

　主人公刹那は、過去に自分を救ってくれた「ガンダム（＝天使）」に、現在自分が登場している事で、ガンダムと自分を重ねて、世界を救う為の「天使（＝ガンダム）」となろうとしているみたい。

「これが、ガンダムマイスターだ！」

　そして第1話から重ねて描写される自己の否定。「自分は人間をやめた。大局で判断し、天罰の下僕になる」のような観念を持っているのかな。成る程、中々熱い少年じゃないですか。

　また、刹那はその容姿も精神にも未熟な所があるようで、仲間からも「子供」とか「不適格者」とされている存在なワケですか。チェックチェック。

「子供のお守りをよろしく。」

「分からないな、何故彼がガンダムマイスターなのか。」

アレルヤ・ハプティズムの場合

「これで稀代の殺人者！けどね！」
「それがソレスタルビーイングだ！」（アレルヤ）

　そしてアレルヤも所々で小心者(他の四人と比較してですが)としての描写がされていますが、彼も人間としては「殺人者」なんだけど、「自分はソレスタルビーイングだ。」、「自分はガンダムマイスターだ。」と、懸命に罪悪感を抑え込んでいる感じ。

　ストラトス兄貴は年長者として真剣な中にも余裕がある感じ。敢えてハロを相棒にしているのもその反映かな。今までのガンダムシリーズでは、回避行動と射撃を同時にこなすキャラなんてわんさか出ているのに、敢えてハロに回避行動のサポートに回すという事は、一週のストラトス兄貴とハロが二人でマスコットキャラ的な立ち位置にあるという事だと思います。
　あと、ガンダムＷのモビルドールで扱われたように、ハロは限定的？とはいえ、オート機能を持たされているワケなのですが、引き金はあくまでストラトス兄貴にある辺りに、ストラトス兄貴達の覚悟を感じさせてくれます。

「貧乏籤！貧乏籤！」
「ちっ、分かってるよ。」

　ハロが奪取されて、モビルドールみたいなのが出てきたら…まずいね。

ティエリア・アーデの場合

　ティエリアさんは、誰よりもソレスタルビーイングの理念に近いですけど、どこか狂気めいた面が見え隠れするのが気になります。

「俺は徹底的にやらせてもらう。」

　うん、やっぱりみんな大いに自分を見失ってるなー。

ソレスタルビーイングの目的

　敵も味方もない。全世界を敵に回そうとしているその行動に驚愕するセルゲイさん。

「バカな！一度の軍事介入で３００年以上続いている紛争が終わると本気で思っているのか？」（セルゲイ）

　その疑問に応えるソレスタルビーイングの皆さん。

「一度だけじゃない。何度でも介入するわ。」
「紛争が終わるまで、憎しみが私達に向けられるまで。」
「それが、ソレスタルビーイング。私達は物事を変える時に付きまとう痛み。」

　全世界から破壊をもたらす「悪魔」と憎まれ、そして同時に全世界から救済を与える「天使」と愛される。
　そして、ある時は憎しみを向ける「スケープゴート」として扱われ、ある時は「希望」として扱われる事を意図しているのですね。その果てに「神の国」はやってくると信じているのか。
　でも、「本当の意図」とか、「裏切り者」とかは普通に有りそうなので、楽しみに待ってます。
　スケープゴートとして或る国を徹底的に悪役に仕立てて国民を教育し、報道して、自分の国の不満の矛先を反らすのはよく使われる手法ですしね。某隣の国々とかね。

　確かに、世界中をソレスタルビーイングが敵に回して世界が団結して、不満の矛先を全てソレスタルビーイングに向ければ紛争は無くなります。しかし、それは人のみには余る行為。神になろうとするソレスタルビーイングに対して、「あなたはどこにいるの？」と、所々で未熟さを持っている刹那に振ってくれそうなのがマリナ・イスマイールさんなのかな。「そんなもの無くとも平和になる」･･･のかな。
　マリナ・イスマイールさんは今回は登場せず仕舞い。きっとマリナさんは忙しいんだよ。ＳＥＥＤでもカガリが出たのは第1話だったけど、本格的にストーリーに参加するようになったのは第15話「それぞれの孤独」からだし、ラクス様の初登場なんて第7話「宇宙の傷跡」からだしね。気長に待とうじゃないですか。