ドラゴノーツ -ザ・レゾナンス-第7話感想「別離 ―虚空よりの響き―」

 どうにもこうにも、ジン君のヒーロー度が足らないなぁと思った第7話。

 トアと自分、それにギオの3人で地球で暮らそうと言ったジン君ですが、いざトアとギオを秤に掛けたらやっぱりトアをとってギオをモノみたいにカズキ君に渡してしまいます。
 違うぞジン君、ここは「第三の道」を模索する所だ!ここでギオフラグをへし折ってどうするんだ!(バカ)

「俺は、邪魔者じゃないのか?」

「やはり俺は邪魔者だったみたいだな。」

 「一人じゃない」とジン君に言われた直後に、それを翻されるような事されるんだから、ギオがかわいそう過ぎます。それでも「どうした、早くジンの所へ行け。」と言っているギオのいいヤツっぷりが切なすぎます。

トアさん

 トアさんには、ジン君に知られたくなかったことが2つあった。一つは「人間じゃない事」、二つめは「ジン君の家族を殺した事」。この二つを知られたくはなかった。ジン君に嫌われてしまうから。
 そして、トアさんが素直になれない理由も2つあった。一つは先の「ジン君に嫌われる二つの理由」、もう一つは「マザーの命令」。
 でも、トアさんはジン君が好きで、会いたい気持ちを抑えられずに会ってしまった。一度会えば歯止めは効かない。逢瀬を重ねるも、「ジン君に嫌われる二つの理由」の一つ目、「人間じゃない事」が知られてしまう。
 それを何とか乗り越え、一緒に居られると思ったのも束の間、二人の「運命」を阻むマザーの命令でトアさんは「使命」を遂げるべくジン君の元を離れてISDAに投降。目的はISDAにあるドラゴンの死骸っぽいけど生きてそうな何か。でも今度は「離別」を知っているウィドーさんの御陰でジン君の元へ送り届けられますが、「使命」の為にそれを拒絶。
 ジン君の家族を殺してしまった事を明かして、ジン君に嫌われようとします。

「ジンの家族を殺したのは私なの!」

 これで、トアさんとジン君の「心理的牆壁(=宿命)」は全部出揃ったと考えていいと思います。あとはそれらを打ち破る二人の「レゾナンス(=運命)」でそれを打ち破ればいいのです。

 ただね、監督が男だからかなぁ、トアさんの複雑な心理が全然描写できてないんですよね。書くべき事は書いてるのは分かります。でも、表現の仕方が視聴者に不親切なんですよね。理解は出来るけど、共感は出来ない。勿論感動もできない。

 トアさんの態度が二転三転して、「結局何がしたいんですか!」という気持ちを否定出来ません。うん、分かってるよ。わかってるんだよ?でも、ジン君とトアさんがくっついたり離れたり、またくっついたり、と思ったらまた離れたりと、視聴者を混乱させる展開だと思うんです。理屈では分かっていても感情移入はできない。やっぱり描写の積み重ねが必要だったと思います。

カズキ君

 カズキ君の変化も唐突。今回の冒頭の「過去にジン君に裏切られていたけど親友だと信じていたカズキ君」の描写を、もっと前に出していれば、視聴者のカズキ君に向ける視線ももっと別のものになっていたと思うんですが、今のカズキ君は完璧にギャグキャラです。
 でも、ジン君の妹の「アイさん」の名前を聞いた時に動揺を隠せなかったりと、完璧な悪役にはなりきれてない感じです。
 でもなぁ、GONZOだからなぁ。ただ「知ってる名前」だったからとかそういう理由のような気もします。過剰な期待は致しません。

perfect blue

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次回予告

 ドラゴノーツ -ザ・レゾナンス-第8話「決意 ―疾風を越えて―」