ドラゴノーツ -ザ・レゾナンス-第23話感想&備忘録「散華―悲しみと希望と―」
最終回まで残り2回。
今回はジン君が「恋人に先立たれる辛さ」に耐えきれずトアさんをギオに渡し、カズキ君との浜辺での殴り合いで、「例え別れる事になっても、出来る限り一緒にいよう」と決心し、更に散り散りになっていたISDAが再び一つに結集する回でした。
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いや、言ってくれるな、語ってくれるな。
私も伊達に半年間ドラゴノーツと付き合ってきたワケじゃないです。「例え別れる事になっても、出来る限り一緒にいよう」というのは、その後の展開として「トアさんの寿命の問題が解消されてジン君の所に帰ってくる」という結末が透かして見えますし、その他諸々、まるで「甲子園に出場したものの、九回で相手チームに圧倒的点差を付けられてもう勝てる見込みの無い高校が、最後の思い出に3年生を代打に出したりする」みたいだなとか、思わないではないのですが、記憶を消したり見なかった事にして頑張ります。
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本編感想
「「そのとき、タナトスは思った。ひとりではないと…。」〜ドラゴノーツとブレンパワードとの類似性から〜」でも書いたように、ドラゴノーツという作品の着地点はもう察しが付いていて、「強制」の象徴であるタナトスに対して「攻撃」という「強制」で迎え撃とうとするジルアード軍を始めとする人類や、「強制」の属性を持つ「抗タナトス因子」でタナトスに特攻を掛けようとするノザキ教授の試みは全て失敗し、「自由意志」を掲げる主人公一行によって、タナトスの「強制」を包み込んで「共存」に到るのだと考えています。
特に、未だ「宿命」による「強制」から完全に自由ではないオリジナル・ドラゴンは「寿命」から逃れられない「宿命」にあり、大事な存在との離別を「強制」されていますが、「恋人」、「師と弟子」、「親と子」という関係性が完全に機能し、そしてなおかつ未だに「たった一人」である「タナトス」の孤独が解消される事で、全てが解決するのではないでしょうか。
http://d.hatena.ne.jp/AlfLaylawaLayla/20080307/1204897328
というワケで、「タナトスに芽生えた心」を象徴する存在として復活したアキラさんとマキナさんが、「ギオの葛藤」を忖度していて、つまりはタナトス自身も「ギオの葛藤」を察していて、「心」というものを理解してきている事が描かれたワケです。
「人間がドラゴンから多くの事を学んだように、
ドラゴンもまた貴重なものを得たわ。
心というものをね。」(マキナ)「ドラゴンは人間とレゾナンスして、
初めて心というものを知った。」(マキナ)「ギオ、お前だって。」(ソウヤ・アキラ)
「そうだ、人の心と触れ合わなければ今の姿になる事も、こんな気持ちを知る事も、無かった。」(ギオ)
そして、サカキ司令の台詞で、「人間とコミュニケーター」はどんなゴールを迎えるべきかが語れて、それは即ち、「人類とタナトス」がどんなゴールを迎えるべきかを意味していると思います。それは「人類の未来」という可能性。
「君たちを見ていた思ったんだ。
私も最後ぐらい、逃げずに自分と向き合ってみようとね。
私はレゾナンスという行為をタナトスがくれたチャンスではないかと思っている
コミュニケーターとは欲望を具現化した姿、すなわち自分の求めるもの。
そして、目指すべき自分だ。
レゾナンスを受け入れ、自分と向き合ったその時、人は、迷いや過去を乗り越えられるかもしれない。
あくまで私の導き出した答えに過ぎないがな。
だから、行きたまえ!
君たちの答えを見つけに!
スタートロール!」(ベイゼル・サカキ)
今回でカズキ君もどんなゴールを迎えるかは分かっていて、まず、「ギオはジンを守る為の理想」だったという事を提示。
カズキ君の願いの通りに「ジン君を守る」事と、ギオ自身の願いの通りに「トアを守る」という、自由意志で行動しながらも、カズキ君自身の「願い」はギオの中に生きているという事。
「ギオはおれの理想だった!
俺は、ジンを守りたかっただけなのに!
ギオはギオはおれの理想だった!
ジンを守る為の力そのものだった!」(タチバナ・カズキ)
色々引っかかる所はあると思いますが、結論として、
「どうせ俺達だってもう、分かり合えないんだ!
分かるさ!
分かるんだよ、ウィドーが死んで、やっと…、無くしたものの大きさが。」(タチバナ・カズキ)
となるのです。深く考えてはいけません。
更に、先に宇宙に向かったライナさん達は、「強制」しようとしたジルアード軍とは対照的に、相手の「自由意志」を尊重して「お願い」をして「運命」サイドとして動いています。
「お久しぶりです、長官。
お願いがあって参りました。」(ライナ・クロムウェル)
また、サカキ司令の方は「自由意志」でローラさんを助けに行き、ローラさんに「自由だ」とローラさんの自由意志による選択をさせ、「運命」サイドとして着地します。
最後まで、助けられてばかりだったな。
お前はもう自由だ。どこにでも行くがいい。」(ベイゼル・サカキ)
「私、ずっと、お父さんと、一緒。」(ローラ)
「まだ、お父さんと、呼んでくれるのか。
ありがとう、ローラ。愛しているよ。」(ベイゼル・サカキ)
こうしてオリジナル・ドラゴンの一人目が救済されます。
そして、ウィドーさんについても救済の伏線が敷設され、全ての「ドラゴン」が救済される準備が整った上で、ISDAの仲間が一つになってみんなが宇宙に向かいます。
何の為に?
地球を救う為?大事なの最後を見守る為?
そうじゃない、「人生を変える」為に行くんです。
「誰だって最初は緊張するもんだ!
だがな、そんなもんは 宇宙に出ちまえばいっぺんに吹っ飛ぶぞ!
宇宙はいい!特に宇宙から見た地球の美しさは格別だ!
人生が変わると言ってもいい!」(カミシナ・エイジ)
最後は、サカキ司令もローラさんも、ウィドーさんもアキラさんとマキナさんのようにタナトスの力で復活する…という事は十中八九確定しているので、安心し見ていきましょう。
そういえば、次回予告ではアーシム王子が復活していました。彼も最後の最後に「運命」サイドに着地したのでさもありなん。驚くほどの事じゃないです。はい。
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次回予告
ドラゴノーツ -ザ・レゾナンス-第24話「逆鱗―消えゆく明日―」