案の定「『紅』〜醜悪祭(下)〜」が叩かれているけど……
- 作者: 片山憲太郎,山本ヤマト
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/04/25
- メディア: 文庫
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ここで質問です、「愛」の反意語は何だと思いますか?
答えとして、小説だか漫画かでよく言っていた答えを代数的に挙げてみると「憎悪」とか「無関心」ですね。この辺は私にも理解出来ます。
今回の「紅」〜醜悪祭(下)〜で読者から向けられたのは「愛」ゆえの「憎悪」という事みたいです。ラノベの感想界で有名で、うちが逆立ちしても太刀打ち出来ない「いつも感想中」のhobo_kingさんのトコを代表して挙げてみると、やっぱりネガティブな意見が多いです。
このクソッタレが。本当に醜悪だ。
http://d.hatena.ne.jp/hobo_king/20080424/1209046976
1. 本編がイラスト含め僅か「122p」しかない。長編書き下ろしとは言い難く、良くて中編である。
http://d.hatena.ne.jp/hobo_king/20080426/1209136981
2. 下巻と銘打ってあるにも関わらず、前巻から引っ張っている事件が解決しない。
3. 何故かアニメ「紅」第一話の台本(?)が丸々載せてある。
4. 謎の用語辞典、謎のストーリー紹介用付録がついている。
5. そして上記の事には裏表紙のあらすじの所には一切書かれていない。
ただ、私自身がこれに同意しているかと言えば、全然そんな事はなくて、記事やコメントでみなさんが「何」に怒っているのかさっぱり分からないんですよ。
怒りの矛先は「著者」?「出版社」?「スーパーダッシュ文庫」?「アニメ」?
それを明確にせず、ただ「下巻が中途半端」という情報だけで、それらに怒りをぶつけてる感じが否めないですね。気持ちとしては取り敢えず怒りたい、でも、責任の所在が分からないから取り敢えず満遍無く怒ってみましたというのが正解なのでしょう。
私は何も悪い事は無いと思います。読んで詰まらないと思えば二度と読まなきゃいい。出版社が悪いと思うなら本なんて読まなきゃいい。「スーパーダッシュ文庫」が嫌いならもう二度と買わなきゃいい。「アニメ」が嫌いなら見なきゃいい。それこそ「無関心」になればいい。
先に挙げたhobo_kingさんのエントリーで5つ箇条書きされてますけど、あまり根拠は無いですよね。別に「長編書き下ろし」の定義が明確に定まっているワケでもないですし、「下巻」で全て解決するというお約束を必ず守らなくてはいけないワケでもないし、小説にメディアミックスとして附録を載せてはいけないというワケでも無いし、はっきり言ってしまえば、重箱の隅を突いてるだけという感じですね。
肝心の本編に対してあまり言及をせず「感想」を書いているという感じです。裏を返せば、本編を読んで怒りを覚えたので、もう本編の感想書くのも嫌だという事なんでしょうけど。
読者に発言する正当性があるとすれば「お金を出して買ったのに内容が非道い!」という所でしょうけど、定食一食500円として、「お金を出して買ったのに味が非道い!」と言うのは自由だけど、たかだか定食一食買っただけでその店の全てを否定する事は出来ないと思います。大体、食べちゃったものはもう自己責任ですし。
それに、ネガティブな意見を挙げる人達も、続巻が出たら買おうか悩んでいる筈だと思いますし。そうでなければわざわざ時間を割いて文章にするワケが無い。「裏切られた、でも続きは気になる」そういう意識はどこかにあると思います。その指摘が妥当なものであるかは私は知りませんが。
私は内部事情を知ってるワケではないのであくまで推測ですが、
中らずと雖も遠からずでしょう。大人の事情があるなら、それを察してあげてもいいんじゃないでしょうか。勿論hobo_kingさんもそれは分かってらっしゃるとは思いますが、「愛」が裏返った「憎悪」がそれを許さなかったのでしょうね。
さて、ここでもう一度質問です、この「『紅』〜醜悪祭(下)〜」の発売で一番辛い思いをしたのは誰だと思いますか?
1.出版社?
出版はビジネス。コストを回収出来ない作家は切るだけ。多少お金の面で痛いかもしれないけど、これがビジネスですから。
2.アニメ製作スタッフ?
小説とは別のジャンルであり、別物の面白さを開拓しているので影響なんて受けない。根本的には痛くない。
3.読者?
ラノベを買うなんて義務は存在しないから、面白くなければ買わない、詰まらなければ捨てるか売るか貶すだけ。
4.著者・片山憲太郎氏?
人生を賭けて小説家で生きています。
読者が満足できるモノを作って採算が合うようにしないと、生きていけない。
出した作品は中途半端な所で切らざるを得ず、続く展開にも制約が付く。
さて、誰が一番辛いんでしょうね?
- 作者: 片山憲太郎,山本ヤマト
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- 作者: 片山憲太郎,山本ヤマト
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