風の谷のナウシカ(原作版)

 ああ、何の事はない。ナウシカは人間が嫌いなんだ。嫌いで嫌いで、自分も含めて全部滅べばいいと思ってる。でも、人間だから風の谷の人達も、みんな大好きという気持ちも共存している。人間は須く滅ぶべきだと本当に考えていて、人間がいない世界を本気で望んでいる。でも一方で「死」へ向かう「生」をこの上なく愛している。だから人間も自然のままに生きて死ねと言っている。
 でも、ナウシカの根底を通底している精神は、「人間はこのまま死ぬべき」。

人生 死の運命を受け入れて死ね だから死の運命を否定する土鬼の王族達、墓の主は否定対象→お前らは間違ってる、そして死ね
人類 死の運命を受け入れて死ね お前らがいると世界が汚れる→人類はこのまま滅びよ
世界 死の運命を受け入れて死ね 人間がいない世界で最後まで生きよ

 でも死ねないから、死にたくないから、死なないだけ。

 ナウシカは人類に「未来」ではなく、「終末」を与える為に戦ったんだ。

風の谷のナウシカ 全7巻箱入りセット「トルメキア戦役バージョン」

風の谷のナウシカ 全7巻箱入りセット「トルメキア戦役バージョン」

 と、会社でネタが思い浮かんだ時のメモに使ってるgoogleドキュメントを整理してたら、書き掛けの感想が有ったので曝してみる。

 確か、休憩時間でナウシカ読んだ後の感想メモだったと思う。後半のナウシカの背後に「死ね」という呪詛の言葉ばかりが見えるので、確か公開するのをやめたんだったと思う。ヒロインに幻想を求めて「こうあるべき!」というのは強要したりはしたくないけど、もうちょっと他の終わらせ方は無かったものかなぁ。

 ついでにロビーBさんの「水底の本棚」というサイトさんの「虫眼とアニ眼」の感想を紹介してみる。宮崎駿さんと養老孟司さんの対談ですが、私もお二人が何を言ってるのかさっぱりわかりません。このお二人は何かズレてるんじゃないかと思います。

 この対談では、「人間嫌い」という言葉がたびたび登場します。僕はかねがね、宮崎駿という人は人間が嫌いなんだなあと思っていました。彼の作る物語は人間否定のものが多いですから。
 養老孟司さんが「手塚治虫は人間嫌い」と発言していますが、これはまったくの見当違いです。手塚先生は人間が大好きですよ。ご本人から反論がないのをいいことに断言しちゃいます。
 あんなに人間が好きで、人間っぽい人もいません。手塚先生が描く物語は人間を否定しませんもの。宮崎駿さんは常に神様の視点で世界を俯瞰していますが、手塚先生は大地に依って、同じ視点から物語を描きます。そんなこともわからない人たちの対談を一冊読むなんて…まったくもって時間の無駄でした。

http://book.geocities.jp/sfida07/etc_miyazaki_h.html#jump_6

虫眼とアニ眼 (新潮文庫)

虫眼とアニ眼 (新潮文庫)

 そういえば宮崎駿監督の最新作「崖の上のポニョ」が夏に公開されますね。
 見に行こうか迷ってるトコですが、面白いんですか、これ。

崖の上のポニョ

崖の上のポニョ