第20話感想&備忘録「アニュー・リターン」

 今回は、「対等な人格としてお互いを尊重するモノ(愛、ダブルオー空間(仮))」と、「同族すら対象となる一方的な支配関係(リボンズによる世界支配の縮図)」の対立構造を再度明らかにした回。

対等な立場

「そういうわけだ刹那、今まで世話になったな。」(ロックオン・ストラトス=ライル・ディランディ)
 
「そうか、分かった!」(刹那・F・セイエイ)

「私たち、わかり合えてたよね。」(アニュー・リターナー
 
「ああ、もちろんだとも。」(ロックオン・ストラトス=ライル・ディランディ)
 
「良かった…」(アニュー・リターナー

一方的な支配

「いいね、ルイス・ハレヴィ。」(リボンズ・アルマーク
 
「分かっているわ、アルマーク。」(ルイス・ハレヴィ
 
「良い子だ。」(リボンズ・アルマーク

イノベイターは人類を導く者。
そう、上位種であり、絶対者だ。
人間と対等に見られるのは、我慢ならないな。
力の違いを、見せつけてあげるよ。」(リボンズ・アルマーク

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本編感想

「人間だから」、「イノベイターだから」といった「対話」の無い事で生まれた疎隔を知らないなら、ライル&アニューはダブルオー空間(仮)抜きでも「相互理解」にこぎ着けた。
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リヴァイヴ・リバイバルリボンズ・アルマークによって「心」をねじ曲げられる一方的な支配関係に組み込まれて「相互理解」しているのに敵同士になって、どちらかが死ぬ所まで進んでしまう。(ルイスも同じ)
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アニューがリボンズに操られ、そのままロックオンを手に掛ければアニューが苦しむ。またロックオンはアニューを撃てない。
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だから二人を救うには刹那が撃つしか無かった。
しかし同時にダブルオー空間(仮)によって対等な立場同士での「対話」に持ち込み、アニューを救うことは出来た。
 ↓
それでも、ロックオンのやり場のない怒りは残る

 前にロックオン(ライル)は、ロックオン(ニール)とは違って「両親の仇」を取るつもりは無いと言って刹那を断罪しませんでしたが、今度は「恋人の仇」を取らずに「憎しみ」を越える事ができるか。これでロックオン(ライル)は、ロックオン(ニール)と同じ思いを抱える事になり、ロックオン(ライル)が、憎しみにとらわれ続けたロックオン(ニール)を如何にして越えるか、どうやって兄(=ニール)と向かい合うか、という所に問題が集約されました事になると思います。

 刹那は、「お互い殺し合う」という最悪の事態を回避する代わりに「どちらを生かすか」を選択せざるを得なくなってやむを得ずアニューを撃ってしまった。その後のダブルオー空間(仮)でアニューは救われたとはいえ、残されたロックオン(ニール)は刹那に怒りを向けざるを得ない―――という悪循環。 刹那は、「愛する人を撃つ事」が如何に自分を苦しめるかを知っているから、その罪を二人に背負わせたくなかったので撃たざるを得なかった。

 そして、刹那は無意識にダブルオー空間(仮)の最後の要素であり、刹那に欠けた要素を持っている存在であるマリナさんの事を思い、マリナさん参戦(?)に向けて舞台を煽る。

「声が響く、彼女の声が、彼女の、歌が…」(刹那・F・セイエイ)

 思うに、ダブルオーがツインドライヴというシステムを積んでいて、オーライザーという支援機と、沙慈という副パイロットがいないと全力を出す事さえままならない、など、厄介な特性を抱えているのは、「異なる二つの要素」の融和によって「本当の力」が発動するという暗喩になっていると思うので、今回「ライルとアニュー」が分かり合えたように、「ルイスと沙慈」、「人間とイノベイター」も分かり合えるのだと思ってましたけど、まさかアニューが死ぬとは…OP&EDの優遇されっぷりで、てっきりロックオンとゴールインすると思ってたのに…。

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次回予告

 機動戦士ガンダム00セカンドシーズン第21話「革新の扉」

 ロックオン頑張れ。

今週のお嬢さん

アレルヤ君のアリオス被弾)
 
「よくも!」(ソーマ・ピーリス

 あれ、お嬢さんアレルヤ君の事心配してる?
 そうだ、そうだ、お嬢さんは優しい娘なんだ!(バカ)
 
 それにしても、アレルヤ君て、人数合わせ以上の意味で役に立ってるのかなぁ…。(ひどい)