僕らのワンダフルデイズ〜一生忘れられない音の記憶、貴方にはありますか?〜

 一生忘れられない「思い出」。青春の思い出、そして今の思い出。一生懸命走れば、きっとそれを見つけられる。そんなメッセージが込められた映画だったと思います。

「人間は、意識を失っても、聴力だけは絶対残ってるんだって。
それと、家族に、今の俺達の歌を残したい…」(藤岡徹)

 ずっと響き続ける音。それには二つ意味が有って、一つは勿論、「逝く人」の耳に、ずっと響き続ける音(=思い出)という意味で、もう一つが、「送る人」の耳に、ずっと響き続ける音(=思い出)という意味。

以下ネタバレ

 もう、僕らのワンダフルデイズは脚本がね、ホンットによく出来てるんですよ。
 序盤、主人公・てっちゃんが「末期癌」という主治医の会話を立ち聞きしてしまって、そこから一念発起、学生時代のバンドを再結成。でも、竹中直人さんの怪演と、「主人公は勘違いが多い」というフラグが上手く働いて、悲壮感は少なめに抑えられています。その中でも、何処となくよく分からない雰囲気を出している新規メンバーとして加入したドラムの日暮さん(ホントに日暮らししてるんだけどね)が、何となくみんなと打ち解けて無くて、「音楽性云々で辞めたりしないよね?」という不安を掻き立てたり、キーボードのナベさんの会社大丈夫か?とか不安を残しながらも、主人公てっちゃんや、もう一人の主人公である山本さんは、家庭に仕事に、少しずつ良い影響を与えていくんですね。
 しかし中盤で、「持つ者」である日暮さんが自前のスタジオを提供したりした事で、「持たざる者」であるナベさんの羨望混じりの鬱憤が爆発、それに伴いナベさんが栗田さんを「偽善者」と言った事で、暗転入滅、バンドは空中解散の危機に陥る。そして、それを漸く克服した所で、今度はもう一人の主人公、山本さんが倒れた事で、主人公・てっちゃんの立ち聞いた「末期癌」が、実は山本さんの事だったと分かってしまいます。
 勘違いで山本さんを引っ張り回して、挙げ句に無理を強いたのではと、山本さんに謝りたいてっちゃんだけれど、てっちゃんには、学生時代に山本さんを、これまた勘違いで傷つけてしまった思い出があるから、もう会わせる顔が無い。バンド再結成してから、一度だけ謝る機会があったけど、てっちゃんは逃げてしまった。それでも妻と仲間に支えられて山本さんに謝ったてっちゃん。それに対して山本さんは笑って「俺、みんなとバンドやって、良かったと思ってる」と言うのです。

「てっちゃん、俺を誘ってくれた時の言葉、覚えてる?」(山本さん)
 
「音は、家族にも残って、その音の記憶は、死んでも残す事が出来るって。」(山本さん)

 学生時代の失敗から30年近く経って漸く言えた謝罪。学生時代の勘違いも、今回の勘違いも含めて、挑まないでいたよりも、挑む勇気をもらえたのだから。それで例え自分の思う通りにならなかったとしても、後悔はしてないと言うのです。これはヤバい。
 そして終盤。いよいよ目標だったバンド大会当日。日暮さんの遅刻、栗田さんのお母さんの失踪で、バンド大会への出場出来るか出来ないかの緊迫感、そして相変わらず予断を許さない山本さんの体調。見てる側も、「おっさん死ぬな!おっさん死ぬな!」と思わず力が入ってしまいます。そして最後まで演奏しきった5人。ラストは、てっちゃんの娘さんの結婚式のバンド演奏。でも、もう車椅子に座って、最早自分の力で立つことも出来なくなった山本さんはギターを持てず、山本さんの代わりにギターを買って出たのは、山本さんの部下で、ギターを弾く山本さんの一面を知った事で、疎遠だった関係が親密になった部下の湯川さん。
 歌うのは希望の光に満ちあふれた高校時代の青春の歌。山本さんはもうギターを弾くことは出来ないけど、山本さんの部下が山本さんの意志を受け継いでくれ、やはり疎遠だった息子とも和解出来、妻と息子に支えられて、一緒に「自分の思い出の曲」を聞く。でも、歌半ばにして遂に途切れた山本さんの意識。でも、山本さんの耳にはずっと「思い出」が響いている。だって、「人間は、
意識を失っても、聴力だけは絶対残ってる」のだから。もうシチュエーションが盤石過ぎて私の涙腺が決潰。
 多少技巧に懲りすぎた嫌いはあったけれど、やはり素晴らしい脚本だったと思います。

 オススメ。みんなも見といでよ!

僕らのワンダフルデイズ サウンドトラック(初回生産限定盤)(DVD付)

僕らのワンダフルデイズ サウンドトラック(初回生産限定盤)(DVD付)

第7話「香りは甘く、心は苦く…」〜「大人は分かってくれない」とは言うけれど、「子供だって分かってくれない」よね!〜

 「蘇芳・パヴリチェンコという少女」は「契約者」になってすり減っても、「大人」になって傷付いても、それでも無邪気だった子供の頃の「願い」だけは無くさない。その在り方を黒さんも、そして私達もまた、尊いものだと感じているのにも関わらず、「周囲」はそれを赦さず、ただ「契約者」として、また「大人」として扱おうとする。
 そして蘇芳・パヴリチェンコに新たに芽生えた感情こそが、「蘇芳・パヴリチェンコという少女の幼年期」の終焉に、その意味を、その結末すら知らずに進んでしまう、その危うさ、その儚さが描かれていたと思います。

DARKER THAN BLACK-流星の双子- (1) [DVD]

DARKER THAN BLACK-流星の双子- (1) [DVD]

DARKER THAN BLACK-流星の双子- (1)(Blu-ray Disc)

DARKER THAN BLACK-流星の双子- (1)(Blu-ray Disc)

幼年期の終わり」の二種類の迎え方

 流星の双子での「幼年期の終わり」は「大人になること」と同時に「契約者になること」を意味しているというのは、第1話感想で書きました。

 「夢を見ること」と「夢から醒める」事、これが一つには「大人になること」を意味している事は間違い無い。そしてもう一つが「」「契約者になること」、これも多分間違っていない筈。でも、残酷にそれらを要求してくる「突然壊れる現実」に対して頭を垂れるのが正解か…… というと、恐らくそれは必ずしも正しくはない。

http://d.hatena.ne.jp/AlfLaylawaLayla/20091009/1255025298

恐らく大人は二種類いて、契約者も同様に二種類いて、それらは「幼年期」の終わりの迎え方に起因すると思います。*1

大人 大人になる時に『子供だった頃の願い』を全て捨ててしまった人 大人になっても『子供だった頃の願い』を忘れない人
契約者 契約者になる時に『人間だった頃の願い』を全て捨ててしまった人 契約者になっても『人間だった頃の願い』を忘れない人

 この前提に立って、主要キャラクターである黒さん、蘇芳について以下で見てみましょう。

黒さんの場合

 黒さんはカテゴリーとしては「大人になっても「子供だった頃の願い」を忘れない人」に属します。

 黒さんは、契約者となった妹・白を「守る」為に、自ら大人の世界に飛び込む事を―――暗殺者となる事を選びましたが、その結果、黒さんは人を殺す度に傷付き、感情がすり減り、「白を殺してあげるのが白の為なのでは」という囁きを何度もはね除け、自分が傷付いても妹を、白を守り続けようとしました。
 つまり、黒さんは妹の変貌という「幼年期の終わり」に際して、安易に「妹を捨てる」事を選ばずに「妹を守る」という「願い」を持ち続けた人です。

 その黒さんの姿を第1シーズンの真ヒロイン・アンバーさんは尊いものとし、そんな黒さんを愛してしまった結果、黒さんを守る為に敢えて黒さんに恨まれる道を選び、自分の命をすり減らし続けて黒さんの為に消滅しました。
 妹である白さんもまた、自分の為に傷付き続ける兄の姿を見て、少しずつ、少しずつ傷付き、「大事な何か」を再獲得し、黒さんの為に消滅し、それがやがて全世界規模の「契約者の変化」の端緒となりました。
 そして恐らく、銀も同じで、黒さんを愛しているから、黒さんに恨まれる事、或いは殺される事を覚悟で「イザナミ」にならなくてはならなかったのでしょう。

蘇芳・パヴリチェンコの場合

 蘇芳は、カテゴリーとしては「大人になっても「子供だった頃の願い」を忘れない人」と「契約者になっても『人間だった頃の願い』を忘れない人」の両方に属します。((これが恐らく流星の双子の魅せ方の一つなのでしょう))

 蘇芳は、契約者となった弟・紫苑を「守る」為に、自ら大人の世界に飛び込む事を―――エージェントとなる事を選びます。
 つまり、蘇芳もまた、黒さんと同様に弟の変貌、周囲の激変という「幼年期の終わり」に際して、安易に「弟を捨てる」事を選ばずに「弟を守る」という「願い」を持ち続けた人です。

 しかし、その「願い」が、如何に自分を傷つけるかという「対価」を黒さんはあまりに知ってしまっているから、そしてその「願い」があまりに純粋だから、黒さんは蘇芳に必要以上に感情移入してしまう。

 その一方で現時点で蘇芳は「いつか逃げるよ」と自身が口にしているように、あくまで一時的なものだと捉えており、白を守る為に終わりの無い暗殺者の世界に飛び込んだ黒と違い、悪い意味で「現実を甘く見ている所」があります。実際は、自分の利益の為に他人を殺せば、もう後戻りなど出来ないのにも関わらずです。
 泣き叫ぶノリオを目の当たりにすれば、人を殺す事の罪深さは分かる筈。しかし、今回幸か不幸か、確かに蘇芳はライフルを撃ちましたが、実際に手を下したのは銀であり、蘇芳自身が手を下していない為、精神へのダメージは半分で済みました。しかし、人を撃ってしまったら、今度こそ手遅れになってしまいます。今はまだ蘇芳は「契約者だから」と自分に自己暗示を掛ける事で「痛み」から逃れられていますが、その状態で人を殺せば蘇芳は「契約者」であるという事実から逃げられなくなってしまいます。

「お前が…やったのか。
なんで、お前が、母ちゃんを…」(ノリオ)
 
「契約者、だからか。契約者は人を殺しても平気なのか!」(ノリオ)

 そして今まで暗示され続けてきた蘇芳の「恋」が芽生えてしまった事で、蘇芳自身は益々泥沼に嵌っていきます。「紫苑を守る為」が「旅費を稼ぐ為」に置き換わり、今度は「黒に必要された為」に置き換わってしまっています。恐らく、黒を守る為に、蘇芳はライフルで人を撃とうとするでしょう。そのあまりに幼い「恋」故の行動はただただ儚く、脆く見えてしまいます。

「撃たなきゃ。」(蘇芳・パヴリチェンコ)
 
「だって、あいつに撃てって言われた。」(蘇芳・パヴリチェンコ)

ノリオ

 ノリオは、カテゴリーとしては「大人になっても「子供だった頃の願い」を忘れない人に属します。
 但し、たった今「幼年期の終わり」を迎えたばかりですが。

 恐らく、ノリオの迎えた結末亜h、いずれ蘇芳が迎える結末と、「傷付く」―――その一点に於いて同じでしょう。

 今話でノリオと蘇芳は非常によく似た描写がありました。それは、「大人からの忠告・意図を理解していない」という事です。
 蘇芳は、黒さんが施した訓練を「任務達成の為」だったと理解していますが、黒さん自身が「身を守る術」と言ったように、寧ろ任務の失敗、或いは任務を達成した後で、人を殺さざるを得ない万が一に備えて、「蘇芳が自分の命を守る為」に教えていたんですね。

「あいつには、身を守る術を教え込んだ。」(黒)

 しかし、蘇芳は、黒さんの意図を理解せず、「黒に必要とされたからのだから」と、任務達成を優先して撃とうとします。

「撃たなきゃ。」(蘇芳・パヴリチェンコ)
 
「だって、あいつに撃てって言われた。」(蘇芳・パヴリチェンコ)

 そして極めつけが、「どこの昭和時代の妻だよ!」と思わずツッコミを入れてしまいそうになる蘇芳の尽くしっぷりです。黒さんは蘇芳を傷つけないから撃たせたくないのに、蘇芳は、先程書いたように、黒の為ならライフルを撃つことを躊躇わない。

「もう撃つな。」(黒)
 
「どうして?」(蘇芳・パヴリチェンコ)
 
「お前には向いてない。」(黒)
 
「お酒、なくなっちゃったね。」(蘇芳・パヴリチェンコ)
 
「そうだな。」(黒)
 
「買いに行くの?」(蘇芳・パヴリチェンコ)
 
「…」(黒)
 
「僕、撃たないよ。その代わり、もうお酒飲まないで!」(蘇芳・パヴリチェンコ)
 
「交換条件か?」(黒)
 
「あ…」(蘇芳・パヴリチェンコ)
 
「買いに行くのは野菜だ。」(黒)
 
「待って!」(蘇芳・パヴリチェンコ)

 一方、ミチルは息子が「傷付く」のが嫌で、自分が傷付く事を承知で家に帰ってきてまでして息子に忠告を残しますが、ノリオはそのことを全く理解していません。

「母親らしい事何もしてないから、一つだけ忠告。あの子には、深入りしない方が良いと思うわ。きっと傷つく。」(ミチル)

「あー、もう!母ちゃんにもうNG出されちゃったよ!」(ノリオ)
 
「そうだ、俺、あの子にアピール中だった!」(ノリオ)

 結果としてノリオはミチルの言った通り「恋」故に深く傷付きました。
 今は泣いておけ、ノリオ。

ミチル

 ミチルはカテゴリーとしては「契約者になっても『人間だった頃の願い』を忘れない人」です。

「ほんとは寄るつもり無かったけど、対価だから仕方なくね。」(ミチル)
 
「ふふ。」(レバノン

 ノリオのトコでも書きましたが、ミチルは、ノリオが失敗だったから組織内での自分の立場、任務上での危険の増加を承知で、そして、その結果ノリオを傷つけてしまうことになるとしても、それでも契約者らしく合理的には考えずに忠告に来ました。
 また、対価(≒「取り戻したい『過去』」)が「お菓子作り」だった事からも、ミチルにとっては家族は今でも大切なもので、家族を傷つける前にノリオが物心つく前に家を出た、というのが真相なのでしょう。

結論

 蘇芳・パヴリチェンコは傷付きます。
 今回、ノリオの願い、「母親」という「取り戻したい『過去』」と、「蘇芳」という「守りたい『今』」、その二つの「願い」が両立しないということを知るまで気付かずに両方失ってしまったように、「紫苑を守る」という「取り戻したい『過去』」と、「黒を守りたい」という「守りたい『今』」、その二つの「願い」が両立しないということを知るまで気付かずにいるであろう、余りに愚かな姿。
 しかし、罪深い事に、その姿こそ美しい。

ツキアカリのミチシルベ(アニメ盤)(期間生産限定盤)

ツキアカリのミチシルベ(アニメ盤)(期間生産限定盤)

次回予告

 来週は函館か。
 いつになったら東京に着くのやら。
 ところで、事前情報では1クールだって聞いていたけど、DVDの枚数とかも考えると、どう考えても2クールのような気がするんですが。

黒の契約者外伝

 みんな!DVD買って銀ちゃんに萌えようぜ!(バカ)

 3分もある壮大なネタバレ配信

おまけ

「あん?誰の事言ってんの?二又は感心しないねー。」(鎮目弦馬)

 もし鎮目さんが第1シーズンを見たのなら、男として怒っていいと思う、だって鎮目さんモテなさそうだしね!(禁句)

DARKER THAN BLACK-黒の契約者- Blu-ray BOX

DARKER THAN BLACK-黒の契約者- Blu-ray BOX

微妙に役に立つSunithaの第1期「DARKER THAN BLACK 黒の契約者」の感想はこちらで読めます。

*1:但し、DTBに「失ったものを取り戻す」という要素がある以上、捨ててしまったものが形を変えたとしても取り戻す事はできますが、あくまで現在進行形の大人と契約者の話

第6話「硝煙は流れ、命は流れ…」で蘇芳を救うのは「限界ギリギリMAXの君への愛だぁ!!」…いやマジで

 先回に引き続いて「生きてる実感」と「合理主義」の対立。
 契約者たろうとし、またクライアント(マダム・オレイユ)も蘇芳・パヴリチェンコを契約者にしようとしている。しかし、黒と、蘇芳・パヴリチェンコの深い部分はそれに抗い続ける。
 そして、蘇芳・パヴリチェンコは撃った相手と一緒に自分の「生きてる実感」を殺しかねない「殺人」を犯しつつあります。

「何故泣く。」(黒)
 
「分からない……。…分からない……。」(蘇芳・パヴリチェンコ)

「鯨を見たんだ。
写真は撮らなかった。
取る必要は無いと思ったから。
でも何でだろう、ちょっとだけ、撮っておいてもよかったかなって。」(蘇芳・パヴリチェンコ)

DARKER THAN BLACK-流星の双子- (1) [DVD]

DARKER THAN BLACK-流星の双子- (1) [DVD]

DARKER THAN BLACK-流星の双子- (1)(Blu-ray Disc)

DARKER THAN BLACK-流星の双子- (1)(Blu-ray Disc)

レバノン

 蘇芳がオカマのホストの人に比較的心を許しているのは、蘇芳・パヴリチェンコの「取り戻したい『過去』」の一つが「母親」だから、それを投影してしまっているからなんだろうけど、恐らく日本にいるであろう本当の母親は、どうなんだろうなぁ…。

http://d.hatena.ne.jp/AlfLaylawaLayla/20091031/1256994967

 蘇芳がレバノン「母」を投影してしまっているというのは先回の感想でも書いたけど、元々レバノンがオカマになったのは、母を失ったノリオの母親代わりになるという意図があった事、また料理の腕も中々である様子から、それに対して並々ならぬ努力を払ったことは忖度できます。

「美味しい?」(レバノン
 
「うん。」(蘇芳・パヴリチェンコ)

 そんなレバノン「母」を見ている蘇芳・パヴリチェンコがレバノンの真似をしようとするのはごく当然の事です。ただ、問題なのは母が注いでくれた「愛情」のカタチである「料理」を、蘇芳が注ごうとする相手がよりにもよって黒さんというのが頭を抱えさせられるトコでして…

「どう?」(蘇芳・パヴリチェンコ)
 
「味はどうでもいい。栄養さえあれば。」(黒)

 この場合の蘇芳・パヴリチェンコの行動を考えると、どう考えても黒さんに「愛情」を抱いている、または将来抱くであろうという暗喩にしかなっていないのですよ…。
 黒さん大丈夫か…。因みに私はとっくの昔に陥落、萌え萌えだぁ!(ダメ)

母ミチル

 で、今回登場したノリオの母、ミチルは10年以上も会っていなかった我が子に一目で気付いて殺されないように取りはからった事、また「対価」が契約者になる前に得意だった「お菓子作り」だった事から、ミチルにとっての「家族」が大事なものである事は今も変わっていないのだろうな、と思います。
 「水を操る能力」も、「水仕事を楽にしたい」とかいうありふれた望みを「かみさま(仮)」が誤解しまくって叶えた結果とかいうオチな気がします。
 「対価」と「生きてる実感」が密接な関係を持つのは、第1シーズンで登場したハヴォックの「子供から吸血(異常な食事)」という「対価」と、「家庭の食卓(普通の食事)」という「生きてる実感」の関係を見ても明らかなんですが、予想以上にストレートなミチルの「対価(≒生きてる実感)」は、レバノンの愛とどのように比較され、どのように次回で使われるのか楽しみです。

母アキコ

「みんな、笑ってる。」
「そうよ、水族館で怒ってる人なんていない。
気持ちよさそうに泳いでいる魚の前で、ゆらゆらって、縮こまった心をほどくの。」(アキコ・パヴリチェンコ)

 母親が言っているのは「生きてる実感」の事。
 自分の思うままに生きる存在、丁度ノリオのような――を見る事で、自分もそうありたいと思える事、それが「生きてる実感」。

 ところで、蘇芳の母親の名前ってアキコで良かったよね?

契約者・蘇芳

「契約者として任務を受けて、報酬としてお金を貰う、それはすごく分かりやすい。だから、きっとやれる。」(蘇芳・パヴリチェンコ)
 
「最っ低の夜だな。」(黒)

 黒さんが言うように、「最っ低」な展開。かつて同じような道を歩んみ暗殺者になった黒さんは、地獄へ蘇芳を引き込みたくはないし、また蘇芳自身、「深い部分」では殺人なんてやりたくない筈なのに、マダム・オレイユの書いたシナリオは蘇芳から選択肢を、「生きてる実感」をどんどん奪っていこうとする。

ツキアカリのミチシルベ(アニメ盤)(期間生産限定盤)

ツキアカリのミチシルベ(アニメ盤)(期間生産限定盤)

次回予告

 何やら不穏過ぎる展開…
 黒さんを乗せてどこかに行くトラック、予測された襲撃なのに姿を見せないミチルさんを含む三号機関の皆様方。
 やばい、これはいかん。

DARKER THAN BLACK-黒の契約者- Blu-ray BOX

DARKER THAN BLACK-黒の契約者- Blu-ray BOX

微妙に役に立つSunithaの第1期「DARKER THAN BLACK 黒の契約者」の感想はこちらで読めます。

第5話「箱舟は湖水に揺蕩う…」は興奮しないでしっかり見よう!ちゃんと見よう!大事な話なので二回言いました。

 「取り戻したい『過去』」と「守りたい『今』」の鬩ぎ合いと、「方舟」という選民思想の匂いがする何となく不穏なキーワードの提示。恐らく今シーズンの方向性はこれで見えてきた感じです。

「方舟ってさぁ、えらい不公平だと思わない?
全ての動物、男と女、ペアで乗せてってさ。
拷問よ、拷問。
男でも女でもないアタシらはどうしろっていうのよね。
はい。
あんた、方舟に乗る資格が出来たのよ…。」
「立体、横漏れガード、ウィング付き…」

 方舟っていうのは、何かそういうのを企んでるヤツがいるって事の暗示なんだろうね。世界の崩壊に抗おうともせず、大勢の人を見捨てて自分達だけ何食わぬ顔で生き残ろうという卑怯な人々がいるって事ですね。
 そして、「方舟」に契約者の乗る場所はきっと無い。
 或いは逆に、紫苑をイザナギ、蘇芳をイザナミにしたて上げて、日本神話の「天地の初発」を行って世界をやりなおそうとする連中がいるのかもしれませんが、さてさて…

DARKER THAN BLACK-流星の双子- (1) [DVD]

DARKER THAN BLACK-流星の双子- (1) [DVD]

DARKER THAN BLACK-流星の双子- (1)(Blu-ray Disc)

DARKER THAN BLACK-流星の双子- (1)(Blu-ray Disc)

写真=「取り戻したい『過去』」

「写真、撮ってみようかなって思ったけど、やめた。どうしてそんな事考えたんだろ。撮らなきゃいけない理由なんて、どこにも無いのに。」(蘇芳・)

 蘇芳の撮る写真は基本的には「友達」です。第1話で最初に撮ろうとした写真こそ野鳥でしたが、それは撮るのに失敗してますし、実際に撮った写真といえば、「ターニャから告白にOKを貰ってはしゃぐニカ」、「教室の掃除をするクラスメイト」、「食事する親しい友達」と、平和な時期の蘇芳・パヴリチェンコにとって「撮影」とは「友達」に限定されており、また母親の写真集を見ることは、その先にいる「母親」の心を覗こうとしたものであり、弟である紫苑・パヴリチェンコの部屋に飾ってあった「幸せだった頃の家族四人が揃って写した写真」が蘇芳・パヴリチェンコが「夢」に見た「取り戻したい『過去』」でした。
 もう少し突っ込んだ話をすると、蘇芳が写真を撮ろうとするのは、外に出られない弟の紫苑に外の世界を見せてあげ、昔の紫苑に戻って欲しいという「願い」が原動力の一つになっています。

 だから、冒頭で蘇芳・パヴリチェンコが大きな鯨を目にしても、昔のように写真を撮ろうとしなかったのは、そこに「友達」がいないから、そして見せてあげる紫苑がいないから当然の事なのです。

 ここで第1シーズン「黒の契約者」で黒さんが望遠鏡を覗く理由は、黒さんの「取り戻したい『過去』」、つまり「白と見た満天の星空」を取り戻そうとしたからでした。
 そして、第2シーズン「流星の双子」で蘇芳がカメラを覗く理由もやはり、それと相似形を成していて、蘇芳・パヴリチェンコにとって「取り戻したい『過去』」である「家族」と「友達」を取り戻そうという心の働きだろうということは、推して量れ、という事ですね。

 ただ、第1シーズン開始時点では黒さんは白さんが自分の中に消失した事に気付いておらず、まだ「取り戻せる」と思えていたんですが、蘇芳にとっての「取り戻したい『過去』」である「家族」と「友達」は、もう紫苑しか残っていない。だから全ては取り戻せない。

 「黒の契約者」も「劉生の双子」も、大枠は「取り戻したい『過去』」を取り戻そうとする人々の物語ですが、実は「守りたい『今』」を守ろうとする人々の話でもあったりするんですね。(というか、それが「答え」)
 勿論、過去を捨てて今に生きるという意味ではありません。第1シーズン第23話「神は天にいまし…」で「昔の星空」の思い出を懐かしそうに話ながら、「守りたい『今』」を守る為に今を生きている人達を思い出してください。

「やっぱり懐かしいのはジャコビニ流星群を見に行った夜かな。」(大山敏郎)

「…母さんもまだ、元気な頃だよ。」(ホウムラン軒の店長)

 彼らは、過去があるからこそ、今がある。
 黒さんも同じで、白さんを取り戻す為だけに生きてきた筈の黒さんの周りには、いつの間にか銀、黄、猫といった仲間や、未咲さんや久良沢さんといった友人も出来た。第1シーズンのラストは、半年間の物語を通して「守りたい『今』」の重みを知った黒さんが、「守りたい『今』」の為に「取り戻したい『過去』」に別れを告げる、というものでした。

「この街はどうなる?
俺が力を解放したら、白に会う事を望んだら。
契約者も、人間も、この街に暮らすヤツらは消えるのか?南米の時のように!……俺には出来ない。」(黒)
 
「じゃあ、契約者は消える。銀も私も、この星に暮らす全ての契約者が。全ての契約者が。
黒、あなたを除いて。」(アンバー)

 だから、蘇芳・パヴリチェンコもまた、「守りたい『今』」の為にもう一度カメラを撮りたいと思える時がきっと来ます。

 そういう意味で、ノリオの言う「生きてる実感」というのは、正に蘇芳に必要なモノ、作中善。

「もっと見つけていこうぜ、こう、キラキラ輝く、生きてる実感ってやつをよ!」

 ただ、「生きている実感」というと、どうしても第1シーズン黒の契約者第1,2話「契約の星は流れた…前編/後編」の篠田千晶、正確には記憶を移植されたドールですが、黒さんを庇って死ぬ少し前の彼女が口にした「生きてるって実感」という言葉を思い出さずにはいられず、とても不安です。

「変なの、見慣れた間取りの筈なのに、左右反転してるだけで何か変。偽物みたい。ここに越してきて二週間、本当に生きてるって実感があったんだ。初めてだったよ、こんな感じ。」(篠田千晶)

 偽物の生活、偽物の名前、そして今それを語っているのすら本物の千晶さんではなく、偽物のドールという存在なのにも拘わらず、「生きてるって実感」だけは偽物じゃなかったんです。

 しかし、同じく偽物の生活、偽物の名前、そして感情が希薄になった契約者と、極めて近い存在の筈なのに、「生きてるって実感」を感じられないのであろう黒さんが対照的に描かれます。

http://d.hatena.ne.jp/AlfLaylawaLayla/20070414/1176507180

 それにしても、DTBに出て来るのは、ほんとに自分の気持ちに正直な人ばかりで、とてもとても辛い道を選んだ筈の彼らの姿は、本当に清々しくてキラキラ輝いています。

「大人になる事」

「嫌だ、なにこの感じ…」(蘇芳・パヴリチェンコ)
 
「変なんだ、急がなきゃ…」(蘇芳・パヴリチェンコ)

 否応なく変化していく「精神」、自らの意志とは無関係に変わる「肉体」、そして容赦無く変容していく「周囲の人々」と「環境」。
 第1話の感想で書いた「契約者への変容」、「大人への変容」という、「幼年期の終わり」を蘇芳が歩んでいるというので間違いなさそう。

 「夢を見ること」と「夢から醒める」事、これが一つには「大人になること」を意味している事は間違い無い。そしてもう一つが「」「契約者になること」、これも多分間違っていない筈。でも、残酷にそれらを要求してくる「突然壊れる現実」に対して頭を垂れるのが正解か……というと、恐らくそれは必ずしも正しくはない。

 「流星の欠片」がニックさんやアンバーさんの願い・夢を叶えてくれたように、願望機としての「流星核(?)」とやらが、存在する以上は何らかの形で「夢」は叶う。それは間違いない。同時に、願った全ての「夢」は叶わない、これも間違い無い。何しろ現実は厳しいから。

 だって、「契約者になって変わってしまったターニャや紫苑」、「死んでしまった父親」、それらが全て丸く収まるワケ、ないじゃないですか。

http://d.hatena.ne.jp/AlfLaylawaLayla/20091009/1255025298

黒=「守りたい『今』」?

「契約者になったら感情が無くなるんだよね?
僕は、あなたが嫌いだ。」(蘇芳・パヴリチェンコ)
 
「そうか。」(黒)
 
「嫌いな男と一緒にいても、それでも僕は…、紫苑に会わなきゃいけないんだ。」(蘇芳・パヴリチェンコ)

 いつの間にか黒さんの呼び方が「あんた」と「お前」から「あなた」にランクアップしている辺り、黒さんは罪作りだなぁと痛感します。

次回予告

 やはりノリオは生き残れないか…

おまけ

 蘇芳がオカマのホストの人に比較的心を許しているのは、蘇芳・パヴリチェンコの「取り戻したい『過去』」の一つが「母親」だから、それを投影してしまっているからなんだろうけど、恐らく日本にいるであろう本当の母親は、どうなんだろうなぁ…。

ツキアカリのミチシルベ(アニメ盤)(期間生産限定盤)

ツキアカリのミチシルベ(アニメ盤)(期間生産限定盤)

DARKER THAN BLACK-黒の契約者- Blu-ray BOX

DARKER THAN BLACK-黒の契約者- Blu-ray BOX

微妙に役に立つSunithaの第1期「DARKER THAN BLACK 黒の契約者」の感想はこちらで読めます。

第3話「氷原に消える…」

 第2シーズン「DARKER THAN BLACK -流星の双子-」でも、第1シーズン「DARKER THAN BLACK -黒の契約者-」の中核だったテーマ、「失ったモノを取り戻す」を引き続き強く押し出していく、という方針がよく分かりました。

DARKER THAN BLACK-流星の双子- (1) [DVD]

DARKER THAN BLACK-流星の双子- (1) [DVD]

DARKER THAN BLACK-流星の双子- (1)(Blu-ray Disc)

DARKER THAN BLACK-流星の双子- (1)(Blu-ray Disc)

「失った能力」を取り戻せ

 何かよく分からない装置の副作用で、黒さんの能力は、黒さんの記憶(銀ちゃんとの離別)と一緒に、流星核?のペンダントに移動したように見えます。
 黒さんの能力の源である白さんは、元々アンバーさんと共に、契約者達に「仲間」という意識を芽生えさせる最初の変化をもたらした存在である以上、白さんにも色々と考えがあるのでしょう。酒ばっかりかっくらってるお兄ちゃんなんて嫌いよ、プンプン!とかは流石に無いでしょうけど。

 とにかく、失ったからには取り戻そうとするのがDTB。というワケで、黒さんは早く元の黒さんに…いや、ダメだ、そんな事したら、蘇芳・パヴリチェンコが黒さんにメロメロだ!あ、あああ、私は一体どうしたら…(オロオロ)

「失った人」を取り戻せ

「俺は銀を、あの女を、殺す…。」(黒)

 第1期でも黒さんは、アンバーさんから貰ったお守りを大事にしまっておきながら、口ではアンバーさんを「殺す殺す」と言ってたのを思い出しました。

 ………
 ……
 …

 黒さん、全然学習してないのな!相変わらずニブチンのオバカさんだね!(バカにしてます)

 あと、言うまでもありませんが、第1シーズンの仲間と同じような関係を作ってしまった黒さん、しっかり「取り戻して」いますね!

第1シーズン 嘗ての大事な人、アンバーを殺すのが目的(だと黒さんは思い込んでる)だったが、最後は真意を知って誤解が解けた 戦闘員の黒、観測員の銀、狙撃手の黄、諜報員の猫が衝突の中で仲間として纏まっていく
第2シーズン 嘗ての大事な人、銀を殺すのが目的(だと黒さんは思い込んでる)だったが、最後は真意を知って誤解が解けた 戦闘員の黒、観測員のジュライ、狙撃手の蘇芳、諜報員の猫が衝突の中で仲間として纏まっていく(だろうね、そりゃそうだ)

 それにしても、黒さんはホントに小さい子が好きね!きゃ♡

「失った愛」を取り戻せ

「命は取らずにいてやったのに…。」(ターニャ)

 ゴキブリを操作するという、ある意味最悪の能力で、恋人のニカをゴキブリに食い殺させたターニャですが、一度見逃した、という時点でターニャの「合理的思考」の揺らぎがあったという事だと思います。結果としてニカを殺してはしまったけど、ニカが契約者となってしまったターニャを何度でも赦してくれた事で、もうターニャは十分取り戻しているように思います。

「一緒に…帰ろう、ターニャ…」(ニカ)

 あと、ターニャが紫苑の存在を知らないと言っていたのは興味深いですね。単純に博士がMEの研究結果の報酬として、紫苑の記憶を消去しただけかもしれませんが、そもそも「紫苑・パヴリチェンコ」という存在自体が存在するのか、という面白い疑問が湧いてきます。

「そう、私とお前は友達だった。だが、紫苑という弟の存在は聞いた事すら無い。実在するのか?本当はお前の事ではないのか?」(ターニャ)

 それにしても、ターニャの恰好が一々エロいのは、とってもけしからんのでもっとやってください!(バカ)

「失った心」を取り戻せ

「僕は嫌だ!人が死ぬのも、殺されるのも!もう、嫌なんだよ…」(蘇芳・パヴリチェンコ)

 ↓

「契約者なんて、みんな、死んでしまえばいい…」(蘇芳・パヴリチェンコ)

 あれだけ失う事を悲しんでいた蘇芳・パヴリチェンコが対戦車ライフルを撃ちまくる姿は、悲壮で凄惨で、それでいて脊髄を掻き混ぜられたように美しさにぞくぞくします。

 レンズのような流星核の向こう側から取り出してきたかのような対戦車ライフル。黒さん・白さんの能力がそもそも反則級の「物質の変換」なんだから、それと「願いを叶える流星」である流星核がタッグを組めば、そりゃ対戦車ライフルぐらいは再構成なり、創造なり、転移させるぐらいは余裕で出来そうです。

 それと、肝心なのが、「ターニャにニカを殺した(ように見えた)」時点で能力が発動した事。ターニャに殺させたくなかった、見知らぬ人であっても、誰かが死ぬのが嫌だ。その代わりに自分が傷つく事を恐れない、優しい気持ち。蘇芳・パヴリチェンコは本当に良い子ですね。
 そして、その蘇芳・パヴリチェンコが、ターニャと同じ過ちを犯しかけたところで、制止した黒さんナイスすぎる。この子は、まだ戻れる。取り返せるのだから。

 ま、OPを見る限りでは、パヴリチェンコ博士もちゃっかりドールに人格を移植されて復活しそうですしね!わくわく!(外道)

次回予告

 またロリコンの登場か!
 お前ら素敵だな!

おまけ

 ステオポニーが歌う「ツキアカリのミチシルベ」ですが、Twitterだと否定的な意見ばっかりだけど、私は好きだよ。毎日ヘヴィーリピート中。

ツキアカリのミチシルベ(アニメ盤)(期間生産限定盤)

ツキアカリのミチシルベ(アニメ盤)(期間生産限定盤)

DARKER THAN BLACK-黒の契約者- Blu-ray BOX

DARKER THAN BLACK-黒の契約者- Blu-ray BOX

微妙に役に立つSunithaの第1期「DARKER THAN BLACK 黒の契約者」の感想はこちらで読めます。

第2話「堕ちた流星…」は難しく考えず波に乗って見ましょう!

 今回は、紫苑・パヴリチェンコが「流星」に祈った「願い事」が判明したのが地味に大事だったかな。例え、願ったものが猿の手とかだとしても、その思いだけは尊いモノなのです。

「大丈夫、蘇芳は僕が守るから!」(紫苑・パヴリチェンコ)

「だから、僕は誓ったんだ、紫苑を守るって。」(蘇芳・パヴリチェンコ)

 今日は皆さんに悲しいお知らせがあります。
 先週の「DARKER THAN BLACK -流星の双子-」の感想で書いた、紫苑・パヴリチェンコの対価は蘇芳かもしれないって話ね、あれ撤回します。
 だって、紫苑・パヴリチェンコが(願いを叶える)流星核に接触した直前まで祈っていたのが「蘇芳を守る事」ならば、流星はその願いを叶えるだろうし。Sunithaは降参は早め早めを心掛けてるのでね!

 ただ、紫苑が本当に契約者なのか、という話は、まだグレーかな。OPでも何か双子ちゃんが出て来るみたいですし、先週も書きましたが、「黒白の兄妹の関係」と「蘇芳・紫苑のパヴリチェンコ姉弟の関係」は、DTBお家芸の「よく似た人物同士の対比」というのに照らしても何らかの意味を持つはずですし。
 ほんじゃ、今回も元気よくふり返ってみましょう。だって「時は前にしか進まない。後戻りは出来ないんだ。」ってパヴリチェンコ博士も言ってたしね!

DARKER THAN BLACK-流星の双子- (1) [DVD]

DARKER THAN BLACK-流星の双子- (1) [DVD]

DARKER THAN BLACK-流星の双子- (1)(Blu-ray Disc)

DARKER THAN BLACK-流星の双子- (1)(Blu-ray Disc)

二人の黒い死神

 新登場の葉月水無さん。黒さんとよく似てますねー。
 勿論血縁関係とかは無いでしょうけど、上から下まで、髪も含めて漆黒の出で立ち、黒さんの仮面に対してカラスマスク、ワイヤーを多用する戦闘スタイル。これは、妖怪キャラかぶり!(間違い)
 そうです、視聴者に二人が似ている事をアピールしているワケですね。
 はい、ここはしっかり乗って上げるのが礼儀です。

何故紫苑は蘇芳に男物の服を着せ、自分は女物の服を着たのか。

 多分、紫苑と蘇芳は恐らく「存在が混ざっている」からだと思います。
 テレパシーがある事、二人とも一人称が「僕」であること、これからもそういう例が出て来るかと思いますが、黒さん達が悉く蘇芳と紫苑を見間違えた程によく似ている二人。流石に紫苑がこれからも女装し続けるとは思いませんが(まあそれはそれで見てみたいけど)、これもまた、「蘇芳と紫苑は、二人の何かを入れ替える事が出来る」という事をアピールしているんだと思いますよ。
 はい、ここはしっかり乗って上げるのが礼儀です。

 もっとも、蘇芳/パヴリチェンコの一人称が「僕」になったのがいつからなのかは分かりません。少なくとも、二年前の回想では、蘇芳の一人称が一度も出てこないので確認のしようが無いのですが、どちらにしろ、蘇芳と紫苑の関係性を補強する材料になるでしょうね。

黒さん喪失者化?

「BK201が…、消えた…」(霧原未咲)

 清く正しいDTBファンであれば、みなさん分かってるかと思いますが、ハヴォックさん達喪失者と同じで、BK201の星は流れたのではなく「消えた」だけです。安心して復活の刻を待ちましょう。
 それにしても、霧原さんの出番がちゃんとあるなんて…。(ひどい)

次回予告

 極悪極まり無い次回予告。いなくなってしまった銀ちゃんにここで出番とか、スタッフのみなさんはよく分かってらっしゃる!あんたら鬼だな!(ほめてます)

 あー、それと、DVDの偶数巻に、銀ちゃんのOVAが付くらしいですよ?

DARKER THAN BLACK-流星の双子- (1) [DVD]

DARKER THAN BLACK-流星の双子- (1) [DVD]

DARKER THAN BLACK-流星の双子- (1)(Blu-ray Disc)

DARKER THAN BLACK-流星の双子- (1)(Blu-ray Disc)

 お金無いのに思わずAmazonで予約してしまったよ!一体どこの契約者の能力だよチキショー!!

DARKER THAN BLACK-黒の契約者- Blu-ray BOX

DARKER THAN BLACK-黒の契約者- Blu-ray BOX

DARKER THAN BLACK -黒の契約者- 9(最終巻) [DVD]

DARKER THAN BLACK -黒の契約者- 9(最終巻) [DVD]

微妙に役に立つSunithaの第1期「DARKER THAN BLACK 黒の契約者」の感想はこちらで読めます。