亡念のザムド第5話感想&備忘録「調停する者 しない者」

「そっか、ナキアミ、字が書けなかったな。」(紅皮伊舟)

 あのヒマワリは「子供から親へ宛てた『思い』」ですね。
 こういうの、いいですよね。

「北政府から来た子供」から「北政府にいる親」へ 恐らくアキユキに代書代300カフーの代わりに渡したモノで、北政府の両親へ『思い』を伝える為のモノ
ナキアミから伊舟へ 親代わりである伊舟へ「思い」を伝える為のモノ

 ホント、いいものですよね、落ち込んでるナキアミ。(そっちかよ)

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本編感想

 今回、アキユキは「手紙を書いて」、「手紙を送って」、「手紙を届け」ました。これ、地味に大事ですよ。

 説明しよう!(バカ)

 郵便制度に限りませんが、手紙というのは必ず3つのアクションを要します。つまり、「手紙を書く&送る」、「手紙を届ける」、「手紙を受け取る」。 今回アキユキは代書という「手紙を書く」という行為をしていましたので、もしかしたら4つのアクションかもしれませんが、まあ普通は3アクションです。

手紙を書く&送る アキユキがハルに手紙を書く ナキアミが伊舟に手紙を送る 北政府の子供が親に手紙を送る
手紙を届ける アクシバが届ける アキユキが伊舟に届ける ザンバニ号が北政府の親に届ける
手紙を受け取る   伊舟が手紙を受け取る  

 つまり、アキユキはザンバニ号と同じ機能を果たしてしまったワケですね。 それは、アキユキがザンバニ号に慣れて打ち解けてきたという意味を勿論持っているワケですが、それとは別に、何故「国際郵便船」が「家」という役割を持っているかというと、それは「人の思いを体に通す」という、「ヒルコの思いを体に通す」という、「ザムドの在り方」に直結し、更に「魂の在り方」に繋がってくるからなんですね。
 働けば働く程、アキユキはザムドとして、人として、魂として、成長していくワケなのです。

 そんなワケで、今回のことでアキユキはかなり大きく前進した事になります。

 ですが、国際郵便船なのに、今まで一度も「直接誰かが手紙を受け取る」というシーンが無かったんですね。言い換えるなら、「誰も言葉を交わしていない」ワケです。

 例えば、アキユキの両親がコミュニケーションが成立できていないように、どいつもこいつも一方通行で、仮に話を聞いても、それを腹に抱えたまま相手に伝えるという事をしないんですね。

 全く、どいつもこいつも。

 でも、ザンバニ号はそれを仲介するワケです。
 大事ですね。とても大事です。
 今回のタイトル、「調停する者しない者」もそういう意味なんでしょうねー。

 例えば、尖端島でアキユキは辛うじて「子は鎹」だったワケですが、現状を打開するような行動には繋がらなかったワケですね。ですが、成長していずれ尖端島に帰ったら、アキユキは両親の別居状態を解決してくれるものだと思います。その為のザンバニ号の日々。

 また、アキユキは今話でも流れていた旧OPで、ハルからの手紙を受け取っているので、遅かれ早かれそのうち受け取る事になるはずですね。それがアキユキの残りの1アクションを埋める事になるので、大きな意味を持ってくると思います。

「仕事とはいえ、他人の思いなんて聞きたかないよな。
みんな自分の事で精一杯。
ナキアミにはヒトガタの声まで聞こえるらしい。」(紅皮伊舟)

 人の話を聴くって大事な事ですよね、うん。

「忘れちゃいけないね。」(ハル)

 ハルは偉い子。死者の話を聞いてくれている。

今週の尖端島

「大事なのは、相手と向き合い、拒絶せず、自分の一部にしてしまう事。
なあ、ハル、どうやって、受け入れたらいい?」(フルイチ)

 何やらASPスーツもザムドみたいなシステムです。まあ所詮は対ヒトガタ兵器。化け物を殺すには化け物しか無いですね。フルイチ君もアキユキ君と同じで、ヒルコを右大腿部に埋め込まれたみたいなので、ヒトガタを呼ぶいい餌になってくれるでしょうねー。(毒)

 あと、設楽さんをああいう風に使うとは思わなかったなー。
 設楽さんの変身したザムドモドキが、ザムドから抽出したヒルコを使いながら、金色のリングを除けば北政府のヒトガタ兵器と酷似する姿をしているのは興味深かったですが、私はてっきりハルが「迎えに行く事」を示して設楽さんを救ってくれると思ったんですが、設楽さんの事を刻む事でハルが前に進むんですね−。ひでー。

「『家族を失った悲しみ、少しでも晴らしたい』と突然志願してきましてね。」(汗馬礼蔵)

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