マクロスF(フロンティア)第21話感想&備忘録「蒼のエーテル」
今回は、ランカが自分の居場所である「ここ(=アルト、リー家、ステージ、フロンティア)」を自分の居場所ではないと去った事で、ランカが「人間とバジュラの共生」を望むように、アルトが働きかける事で、物語が収束する準備が整った――――、即ちランカの恋の結末に宇宙の趨勢が掛かっているという、「恋は命懸け」どころか、全人類の「命」が懸かった大恋愛へと発展していく話でした。
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本編感想
アルトの心の最奥にある「母親と空」の記憶にランカが触れた事で、事実上ランカが正ヒロインとして確定されました。実際シェリルの出番は、殆ど無いし。
「ねえ、聞いてもいい?アルト君は、どうして空を飛ぼうと思ったの?」(ランカ・リー)
クラン姐さんはミシェルを(多分)殺されて、ルカはナナセさんを傷付けられて、そしてあまり描写はありませんでしたが、フロンティアの多くの人が、「悲しみ」のあまり、バジュラに「憎しみ」を叩きつけてしまっています。これによって、「バジュラとの共存なんてありえない」という考えがフロンティアに定着した事になります。
しかし、ランカはバジュラ達のリトル・クイーンだから、敵である筈のバジュラの「痛み」が分かってしまう。だから、ランカはバジュラ達を根本的に憎悪する事ができない。
ところがランカは、「人間でありながらバジュラの側」の存在である事から分かるように、その存在の最初から、「人間とバジュラの共生」の萌芽を生まれながらに持っていますし、アイ君が登場時に可愛らしい姿をし、ランカに愛されていた事から、ランカが「人間とバジュラの共生」を望んだ時にアイ君がランカを助けてくれる筈ですし、「可愛い事は正義」という宇宙の心理から、「人間とバジュラの共生」の対策も万全です。それに、マクロスという作品自体が、「異種族・異星人との共生」をずっと描いていますから、アルトの選択が、シェリルの歌がフロンティア全体に働きかけ、「バジュラの最高意志」であるランカの心を動かす事で、「人間とバジュラの共生」が実現されるのだと思います。
また、ランカの歌は、「悲しみ」に暮れ、「憎しみ」に燃え上がる人間に対して、現時点ではプラスに働いていませんが、その部分は恐らくシェリルに役割が振られているのだと思われますから、シェリルは「みんなの為に」を多めに、ランカは「アルトの為に」を多めにパラメーターの調整をされて、ラストまでこのパラメーターで引っ張るつもりなのだと思います。
序でに言うと、ランカがレオンの意志に反して、「ごめん、なさい。もう、歌えません!」と言ったのは、レオンの、引いてはグレイスの「脚本」から脱出する力があるという事で、アルト・ランカ・シェリルの三人で宇宙の歴史を変える、そういうポテンシャルの一端を見せたのだと思ってます。
次回予告
マクロスF(フロンティア)第22話「ノーザン・クロス」
ノーザンクロスもこっち↓に収録されてます。
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