恋!その素敵な好奇心がカレンを行動させたッ!たちまちカレンとルルーシュは友達になり、カレンは彼に夢中になったッ! 復讐のコードギアス 第三話 感想 〜偽りのクラスメイト〜



 前半はルルーシュ「反逆」の理由、動機、背景に絡めて、ルルーシュの人間的な面であるナナリーとの生活とシャーリー達との学園生活、更に後半からはカレンさんがルルーシュの正体に迫る高度な駆け引き、前回とは違って人間相手の心理戦を展開して、カレンさんのドジッ娘属性がこれでもかというくらい描写されていました。ナイス!

 ルルーシュが、最後のスザクの逮捕に反応して、計画を早める事を決断したところも印象的。手段は冷酷ですが、動機も目的も亡くなった母とナナリーの為であり、今回も私情の為にスザクを切り捨てる事ができないというのが印象的です。
 この辺の描写が、物語のラストでルルーシュに救いが与えられるという伏線なのではないかなと思います。





 ルルーシュ、「反逆」、その動機

ルルーシュ
「母の身分は騎士候(?)だったが、出は庶民だ。他の皇女達にとってはさぞや目障りな存在だったんだろうな。しかし、だからと言って、テロリストの仕業に見せ掛けてまで母さんを殺したな。」

<追記>
 誤りを修正。
 ×商人→○庶民
</追記>

 ルルーシュの目的の一つは、母を殺した犯人を捜して断罪することらしいです。また、ルルーシュは最初から身内による犯行だと考えていたようですね。クロヴィスによる証言は以下の二人。ですけど、恐らくは第一皇子(多分前回クロヴィスが「兄上」と言った人物)が本当の黒幕なのでしょうね。

次の標的
 第二皇子 シュナイゼル
 第二皇女 コーネリア

 また、OPで、ルルーシュルルーシュの母親も黒髪なのに、ナナリーは髪がブラウンなので、てっきり義妹だと思っていましたが、回想ではナナリーも瞳の色がルルーシュと同じ紫色だったので、どうやら実妹のようです。チッ。(何が言いたい)

クロヴィス
「や、やめろ!腹違いとはいえ、実の兄だぞ!」
ルルーシュ
「綺麗事で世界は変えられないからな。」

 一方、こちらは身内でも容赦しません。また、ルルーシュ「綺麗事」と切り捨てるのは、「力の無い存在だったことの反動」によるものなのでしょう。(どこかの続編の出番がない主人公みたいです。)また、ルルーシュはスザクとは違って、皇族であるが故に「選択できる未来」が少ない事が分かっているので、焦燥感も非常に強かった事も原因の一つだと思われます。
 ここで、「愛する対象」「憎しみの対象」が明確に分かれるのがルルーシュクオリティ。それが、スザクがランスロットパイロットだと分かった時に、ルルーシュに葛藤をもたらすことになるのだと思われます。

ルルーシュ
「クロヴィスの死を隠すのは、混乱を防ぐ為か、しかし、それをやるということは、発表するときに・・・(誰か、スケープゴートとなる実行犯を仕立て上げる必要がある。)」
 
 ルルーシュは学園でクロヴィス殺害時を思い出して吐き気を催してました。悪役になりきれてませんね。
 また、最後の括弧の部分を敢えて口にしないことで、最後のスザクの逮捕が衝撃的なものに演出されています。脚本練り込んでるなぁ。

・生徒会の面々

シャーリー
「もー、会長って中身は絶対オジサンだよね!自分で話を反らしていくし!」
ニーナ
「ミレイちゃんは昔からああなんです。」
リヴァル
「まー、予算表間に合ったんだし、いーじゃないの。」

 選抜メンバーというより、アシュフォード学園の理事長の孫娘(公式サイトより) 繋がりで、ルルーシュと知り合ったミレイ会長がルルーシュの境遇も含めて気に入って、生徒会に引っ張ってきて(リヴァルはおまけで、雑用扱いでしょ う。)、ニーナは幼なじみだから、シャーリーは真面目で、ルルーシュに気があることを見抜いて巧みな話術で水泳部と掛け持ちにさせてそうです。

ミレイ
「ガーッツ!!」
「は〜い、あなた方は頑張りたくなりま〜す。」
ルルーシュ
「かかりませんよ、そんなインチキ魔法じゃ。」
 ルルーシュのギアスの力と対比してますね。結局、最終的に人を幸せにするのはミレイさんのような人の周りであり、ルルーシュの周りではないということでしょうね。好きだなぁ、こういう人。

シャーリー
「会長!私、かかったことにしま〜す。」

 ほら、こんな風にギアスの力を使わなくても幸せな時間が流れていく。

・永遠を生きるモノ 〜C.C.〜

バトレー
「私は本国に戻され責任を問われるだろう。その際、皇帝陛下に秘密でこの実験を進めていた事が知られると・・・・・・」
 一つ判明。C.C.が日本にいたのはクロヴィスの指示だったらしいですね。

 第一話の感想で、C.C.が本国ではなくエリア11にいた理由を疑問に思ったのですが、C.C.を捕獲した事自体を本国に隠していたのなら、その理由の一つが分かりました。
 しかし、クロヴィスの独断ではなく、他の皇子、皇女と結託していた事もあり得ます。(というかそうでないと面白くない。)例えばランスロットはクロヴィスの「兄」の指示によるものらしいのですし。陰謀が渦巻き、ますます面白くなりそうですね。

 また、研究所にあったセピア色のポートレイト。走るC.C.らしい人物の背後に移っているのは塹壕複葉機、それに第一次世界大戦時に塹壕の制圧の為に大英帝国が投入したMk.1に容貌の酷似した戦車。
(史実の英国連邦(Great Britain)とブリタニアという名称が共通するのは決して偶然ではないでしょうね。というかまんまです。)

<追記>
 英語版Wikipediaに、Mk.1と同型のMk.2の画像がありました。側面部の砲塔の位置履帯の形状に注目すると、写真の戦車と酷似していることがよく分かります。(こちらから
</追記>

・作品世界での歴史
男性教師
エディンバラの屈辱と、新大陸への遷都、北南戦争についてだ。」

 エディンバラの屈辱は名称の類似から、元ネタは「カノッサの屈辱」でしょうか?
 つまり、ローマ教会からのイギリス国教会の独立に関する何かの事件?(因みに史実でそれを実行したのはヘンリー八世「ごく個人的な理由」からでした。)

 新大陸はアメリカ大陸の事でしょうね。地図上でブリタニアアメリカ大陸にある事の理由が判明。
 「北南戦争」というのは、「南北戦争」ですね。つまり、勝利した北軍が正義である事を示す為に敢えて「北南」という名称に変えたという経緯があるのでしょう。因みに英語では"American Civil War"、「単なる内戦」と言ってますが。

女性教師
「偉大なるエリザベス一世の御子であるヘンリー九世の即位によって、テューダー朝は隆盛を極めることになります。」

 テューダー朝最後の王、女王エリザベス一世は「処女王」として有名であり、公式には子を持たなかったとされていますし、エリザベス一世の父ヘンリー八世以降、ヘンリーの名のイングランド王は存在していません。これも現実世界との相違点です。

 どうやら、現実世界との乖離は少なくとも16世紀のテューダー朝に遡るようですね。コードギアスは2クールの作品なので、おそらく設定だけで特に踏み込む程のものではないと思われますが。

 私自身はイギリス史は詳しくないので、批判ツッコミ込みでの情報お待ちしてますよ?

・ナナリーがみてる

ナナリー
「ねえ、この鶴を千羽折るとね、願いが叶うんですって。もしお兄様に叶えたい事があるのなら、」
 ナナリーは、ルルーシュがナナリーの為に自分を曲げてきた事、そして昨日何かあった事を察していると思われます。本当に優しい子です。

ナナリー
「優しい世界でありますように。」
ルルーシュ
「お前の目が見えるようになる頃にはきっとそうなってるよ。」
ナナリー
「本当に?」
ルルーシュ
「ああ、約束する。」

 そして現在のルルーシュ達の環境の説明です。

ルルーシュ
「そ うだ、俺達には選択できる未来が限られている。ここまで匿われていると言ってもアシュフォード家がいつまで後ろ盾になってくれるか、素性がバレたら、 シャーリーやリヴァルだって離れるだろうし、行く末は政治の道具か陰謀の餌食だ。創らねば、ナナリーだけでも幸せに過ごせる世界を。」

 出自の為に、ブリタニア進行以降、他人を心の底から信じることができないルルーシュ、ですが、それは、拒絶されて傷つきたくないという気持ち、友達を巻き込みたくないという気持ちもあるという事じゃないかと私は信じたいです。

ナナリー
「この前教えて貰ったの。日本の約束の仕方。うーそついたらはりせんぼんのーます。ゆびきった。」
ルルーシュ
「怖いな、千本も針を飲まないといけないのか。」
ナナリー
「そう、だから嘘ついたらいけないんですよ。」
ルルーシュ
「大丈夫、俺は嘘をつかないよ。(お前にだけは。)」

 ここからもルルーシュが自分に優しい嘘をついていることを気付いていて、そんなルルーシュを少しでも楽にしてあげたいという心遣いが感じられます。私も殺伐した作品世界にどっぷり浸かり過ぎたからでしょうか、妙にジンと来ました。本当に優しい子です。

・カレンさん、ドジッ娘です。

リヴァル
「カレン・シュタットフェルト。何か、体が弱いらしくてさ、前の学年でもたまにしかね。でも、成績は抜群に優秀。シュタットフェルト家の御令嬢だから金はあるし、性格も穏やか。いやあ、お目が高い。」

カレン
「あーイライラするっ!病弱なんて設定にしなけりゃ良かった!」
 迂闊に地を出すとは、詰めが甘いです。シャンパンのコルクを弾いて頭から中身を被ってしまう所といい、基本的には高性能だが根本はドジッ娘と見た!可愛いなあカレンさん。

ルルーシュ
「どうしてテロを?」
カレン
「私は日本人だから。ブリタニアの血も半分入ってるけど。」

 どうやらカレンさんの所属するレジスタンスの資金源はカレンさんのシュタットフェルト家のようですね。カレンさんがレジスタンスに属する動機も判明。「日本人だから」なのだそうですが、もっと深い動機は、「兄がいた平和な世界が好きだったから」辺りですかね。当然その事をルルーシュも聞いています。

ルルーシュ
「しかし、なぜそこまで。」
カレン
「――――」

 オフレコになっていたので内容は不明ですが、ルルーシュには多分「兄をブリタニアに殺されたから」と答えたのだと思います。それをルルーシュがどう承けるか、「利用」するか、「感情移入」するか。来週が楽しみです。

 また、ギアスの力の限定条件がまた一つ判明。どうやら一人に対して一回しか使えないということ。つまり、先回ヴィレッタさんを逃がしたのはルルーシュの失策と言うことになりますね。

ルルーシュ
「そうだ、念の為、新宿の事は何も言うな。」
カレン
「新宿ってどういう事?どうしてそんな事言うの。」
ルルーシュ
「教室に戻れ。」
カレン
「あなたが質問に答えてくれたらね。」
ルルーシュ
「効かない!?どういうことだ、これは!?」


「カレンが学生やってる方が、ナオトも喜ぶ。」

レジスタンスのリーダー、扇さんはカレンには参加して欲しくないんですね。EDにも出てきますが、カレンさんの兄、ナオトと親友だったようです。(公式サイトより)カレンさんの兄も、ルルーシュとナナリーがそうであるように、カレンさんを守ろうとしていたのだろうと思われます。彼が願った「カレンさんの幸せ」にカレンさんが戻る日が早く来てくれる事を願います。

ナナリー
「カレンさん、よろしくお願いします。」
カレン
「よろしく。こちらこそ。」

 多分、アシュフォード学園での病弱という演技のカレンさんや、レジスタンスの直情的なカレンさんより、ナナリーと会話を交わしていたカレンさんの方が本物のカレンさんなのでしょうね。

カレン
「お前は誰だ!停戦命令を出させたのは!おい、切るな!!」
ルルーシュ
「何だ、停戦命令って。随分物騒なお友達だな。」
カレン
「あ、今のはその・・・」
ルルーシュ
「当てようか、ゲームの話だろ?」
カレン
「え、ええ。そうなの。私、家に籠もりがちだったから。」
ルルーシュ
「だから忠告したんだよ、『新宿の事は言わない方がいい』って。いるんだよ。君みたいな人にわざと画像見せようとする奴ら。」

 カレンさんの心理としては、以下のようになります。
電話に「あの声の人」が出てきたのに、目の前にルルーシュがいるので、疑念が揺らぐ。
 ↓
「自分がテロリストであることがバレたら困る」という心理が増幅される。
 ↓
「もし人違いの場合は自分がテロリストがバレるので、詰問するにしても相手に示す情報は最小限に留めねばならない」という懸念。
 ↓
 昨日シンジュクゲットーにいないと知らない『停戦命令』というキーワードを提示したのはまずい
 ↓
 そこに「ゲームの話だろ?」と助け船を出されて、混乱した心理状態がルルーシュの言葉を鵜呑みにさせてしまった。更に肌を曝してしまった羞恥心が、ルルーシュ=『あの声の人』」であるという情報を想起するのを抑制。

 カレンさんの疑念の払拭と次の行動を同時に進行。非常に高度です。もし、全て計算尽くなら、シャンパンのアクシデントを最大限に利用したルルーシュは凄すぎます。
 尤も、この場合は、「テロリスト」という事実をギアスの力で聞き出したルルーシュの方が圧倒的に有利ですが。

ルルーシュ
「ところで、見えてるんだけど。」
 ルルーシュナイス!可愛いよ、可愛いよカレンさん。
 というか、性格の「地」も思いっきり見えてるんですが。カレンさんは本当に詰めが甘いのです。電話を切った相手に「切るな!」って。可愛いなぁ。

・スザクの逮捕
  スザクの逮捕に、私情を挟んで計画を早めること決意したルルーシュ、でも、先回自分の作戦を台無しにしたランスロットパイロットというのは知らないんで すよね。前回、スザクがルルーシュの為に、相手がルルーシュと知らずに攻撃したのと対比してますね。すごいよ脚本さん。

 しかしスザク君、犯罪者ですか。ということは、スザクがアシュフォード学園に転入して来るときは偽名を使うことになるのでしょうか?また一人、「偽りのクラスメイト」なのでしょうか?

 ですが、スザクの経歴を消して、ランスロットのデバイスとして利用する為の工作である可能性もあります。とりあえず来週を楽しみにしておきます。

・今週の一コマ

リヴァル
「カレン・シュタットフェルト。何か、体が弱いらしくてさ、前の学年でもたまにしかね。でも、成績は抜群に優秀。シュタットフェルト家の御令嬢だから金はあるし、性格も穏やか。いやあ、お目が高い。」
ルルーシ
「違うって。」

 てっきり、性格は穏やかじゃないよ。」という意味かと思って、ちょっと笑えました。

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